安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

「秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る」ご報告

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◆「秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る」ご報告

10月17日(日)、「秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る」会を

14時より16時30分まで、ZOOMウェビナーにて開催いたしました。

参加者は38名、出演者4名、スタッフ1名(2名出演)で、総勢43名の充実した会になりました。

 

目次

 

はじめのことば

ライラック通りの会の前身「花豆の会」世話人であり、同人誌「海賊」の仲間で、安房さんの晩年に至るまでおつきあいのあった、生沢あゆむさん、南史子さん、蓮見けいさん、に当時の安房さん/作品ができるまで のお話をうかがいました。

 

安房直子さんファンにとって、かけがえのない時間をプレゼントしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。

会の内容は追って、安房直子記録誌『こみち』3号に掲載予定です。発行の際は、改めて、ブログでご案内させていただきます。

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お話しくださった3人の方から、会を終えてのメッセージを頂きました。

安房さんを語って  ~生沢あゆむ 南史子 蓮見けい 

先日は貴重な機会をいただき、ありがとうございました。安房さんが ふふふ、と恥ずかしそうに笑っているのが、見えるような気がしたひとときでした。皆さんにも、安房さん/安房作品をより身近に感じていただけましたら、うれしく思います。

私たち3人も、安房さんの温かくまろやかだったお人柄を、ありありと思い出すことができました。安房さんが言われたように、“力を合わせて航海を続けた”「海賊時代」は、懐かしく、私たちの宝物として今も心の奥深くで輝いています。

これからも皆さんとご一緒に、安房さんのファンタジーの世界をたのしみながら、まわりの方々に安房作品の豊かさと癒しの力を伝えていけたら、と願っています。 

  

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皆さんからのメッセージ

開催にあたり、参加者の皆さまからは、あたたかなメッセージをたくさん頂きました。ここに一部を紹介させて頂きます。

 

安房さんの生き方、創作に対するお気持ち等、直接、接してこられた方々のお話を伺えることで、安房作品をより深く理解することが出来ると思います。お話頂けることに感謝です。とても楽しみにしています。

 

・今回のWebinarを主催していただき有難うございます。安房直子さんのこと、安房作品にまつわるお話しを聞けるのを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

・中学生の頃からのファンです。一度お手紙を差し上げたら、はがきをいただきました。とても感激したことを覚えています。お話を聞かせていただけるのを楽しみにしております。

・幼い頃、ライラック通りの帽子屋が大好きでした。最近我が子に読み聞かせながら、幸せで涙が出てきました。今回、このような会に参加できて本当に嬉しいです。企画ありがとうございます。

     

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開催後にも、感想のメッセージをお寄せいただきました。一部をご紹介いたします。

 

・一緒に活動された方の思い出のお話はせつなく、涙が出そうでした。

懸命に等身大に生きながら、繰り返し学び創作を続けた事に感動しました。

 

・お疲れ様でした。とても良い会でした。覚えておきたい話ばかりで、ノートに何ページにも渡り、記しました。お気に入りのジャム、沢屋さんだったんですね! 初めて軽井沢で沢屋のジャムを目にした時から、「あるジャム屋の話」が浮かび、そうなのかなあと思っていたので嬉しいです。

 

・Zoomでこんなに有意義な会が持てるのは、素敵なことですね。

 260作品を書かれたと知って感動しました。どの分野でもプロの覚悟は違いますね。

 

皆さまからの嬉しいメッセージは全て読ませていただき、世話人・スタッフ一同とても励まされました。ご視聴いただいた皆さまも、ありがとうございました。今後ともライラック通りの会をよろしくお願いします。

             

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◆〈ライラック通りの会〉今後の予定

 

〇2022年1月9日(日) ライラック文庫の会 ZOOM開催

参加費:504円~84円切手6枚をお送り下さい。

定員:10名前後(先着順)           

プログラム:

・私の紹介したい安房作品(やしまかずこ・松多有子・石川珠美)

・単行本未収録作品紹介「月夜のオルガン」(朗読・・海原由佳)

・懇談

参加ご希望の方は、awanaoko.lilac★gmail.com(★を@に変えて送信してください)まで、ご連絡ください。

       

〇2022年2月27日(日) 冬の朗読会 ZOOMウェビナー開催

山の童話集『風のローラースケート』を中心に、朗読会を開催予定です。

詳細は、追ってブログにて、お知らせいたします。

                   

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◆会計報告

7月文庫の会 会計報告
収入:  参加費(7名×504円) 3,528
支出:  ZOOM使用料 2,200
   通信・事務費 280
  イラストお礼 200
残金:  (全体会計へ繰り入れ) 848

 

「秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る」 会計報告
  収入 支出  残
参加者38名×1200  45600    
寄付2名(8800+3000) 11800    
ZOOMウェビナー使用料9・10月(13970×2)   27940  
パネリストお礼(資料送付等経費含)3名分    12000  
記録費 合計     3500  
通信・郵送費 合計     2608  
イラストお礼     2300  
合計 (残金は全体会計へ繰り入れ) 57400 48348  9052

・この「秋の日に~」宛にご寄付頂いた方のお名前は、次号の郵送版ブログに掲載させていただきます。ありがとうございました。

 

全体会計へのご寄付 ご報告

2名の方から、全体会計にご寄付をいただきました。

4月に3000円、5月に9360円の、計12360円です。

収支報告は今年度の全体会計として年度末にまとめてさせていただき、お名前は年度末の郵送版ブログに掲載させていただきます。

ありがとうございました。

 

以上

      

申込期限は今月12日です  秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る

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日時:20211017日(日) 14001630

 ZOOMウェビナーでのオンライン開催 

 *申込期限は、10月12日(火)です*

参加申し込みは こちら まで:「質問したいこと」がありましたら、2行程度でお書きください。幾つかの質問に、お話の中で答えて頂きます。 お楽しみに!

 

晩年に至るまでの安房さんと 親交のあった「海賊」同人、「花豆の会」世話人を務めた3名の方々が、安房直子さんのこと、作品との出会い などを語ってくれます。

安房さんの自筆原稿や写真、初期の作品の初出誌など数点も紹介の予定です。

 

お話の概要: 

 生沢あゆむ 「 安房さんのつぶやきⅡ  <海賊>ニュースレター、マストなどの記録から」

同人誌<海賊>のクルーだけに発行されていたニュースレターがあります。そこに残る合評会(「鳥」「夕日の国」「野ばらの帽子」「緑のスキップ」「長い灰色のスカート」)を再現、安房さんの言葉とマストに記された思いを追って行きます。

 

 南史子  「安房さんのお便りから  こぼれ話をひろって~」

 *最初のお便りは“海賊魂”をのせてアメリカに届く *安房さんは猫派?犬派?答えは人形派  *「今は、こんな本を読んでいます」さて、どんな本? *軽井沢でのお買い物は、バスに乗って *病院からの最後のお便り。再会を信じて

 

 蓮見けい  「心にのこる安房さん~ほほえみ、なみだ、わらい声」

・同人誌「海賊」発行 ・初めての喫茶店? ・高校時代の安房さん ・安房さんと山室先生 ・たった一度の?大笑い ・握りしめたメダイユをぽろりと落とし涙した安房さん ・安房さんと作品の持つ力 などのお話をいたします。

 

ウェビナーでの開催となりますので、参加者の方のお顔は映らず、のんびりご自宅でご観覧いただけます。貴重なお話しが聞ける機会です、お見逃しなく!

 

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申込期限が迫ってきました。

参加費のお振込み後の申込となりますので、よろしくお願いいたします。

秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る 開催のお知らせ

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安房直子さんと長年にわたり親交のあった「海賊」同人・「花豆の会」世話人の3名の方が、安房さんのこと、安房作品にまつわるエピソードを語ります

安房直子さんは日本女子大学卒業後、大学院の聴講生として山室静先生の児童文学特論のゼミに参加、そこでゼミ仲間と 同人誌「海賊」を創刊しました。そして、10号掲載の「さんしょっ子」で児童文学者協会新人賞受賞をはじめ、活躍の場を広げていきました

 

安房さんの自筆原稿や写真、初期の作品の初出誌などもご紹介します。貴重な機会ですので、ぜひご参加・ご観覧ください。

◎日時:2021年10月17日(日) 14:00~16:30  

 ZOOMでのオンライン開催(ウェビナー形式・参加者のお顔は映りません) 

◎参加費:1200円

◎参加申込:  こちらからお申し込みください    

  お申し込みフォーム内に詳細明記、質問もお受けします。

   申込( 振込)期限:10月12日(火)

 

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 ◎ 秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る 概要

生沢あゆむ:安房さんのつぶやきⅡ <海賊>ニュースレター、マストなどの記録から

同人誌<海賊>のクルーだけに発行されていたニュースレターがあります。そこに残る合評会(「鳥」「夕日の国」「野ばらの帽子」「長い灰色のスカート」)を再現、安房さんの言葉とマストに記された思いを追って行きます。

 南史子:安房さんのお便りから こぼれ話をひろって~

 *最初のお便りは“海賊魂”をのせてアメリカに届く *安房さんは猫派?犬派?答えは人形派  *「今は、こんな本を読んでいます」さて、どんな本? *軽井沢でのお買い物は、バスに乗って… *病院からの最後のお便り。再会を信じて。

 

 蓮見けい:心にのこる安房さん~ほほえみ、なみだ、わらい声

・同人誌「海賊」発行のころ ・初めての喫茶店 ・高校時代の安房さん ・安房さんと山室静先生 ・たった一度の大笑い ・握りしめたメダイユをぽろりと落とし涙した安房さん ・安房さんと作品の持つ力の源を探る などをお話しします。

 

 安房直子さん/安房作品を 語るひと時をご一緒できることを、楽しみにしています!

 

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〇秋の日に~安房直子さんのエピソードを語る会 ご参加の流れ

【申込締め切り】10/12(火)とさせていただきます

 

①はじめに、参加費をお振り込みください。

  【参加費】1200円

  【振込先】ゆうちょ銀行

  ・店名:〇〇八(ゼロゼロハチ) 

  ・店番:008

  ・預金種目:普通預金

  ・記号:10030
  ・口座番号:3317591(7ケタ→ゆうちょ銀行以外からのお振込の場合)
  ・番号:33175911(8ケタ→ゆうちょ銀行からのお振込の場合)
  ・名前:ライラックドオリノカイ

②次に、上記の登録受付フォームのリンクから、お名前・連絡先・振込日などを登録ください。

 ※項目入力は必須ですが、末尾の質問・ひとこと欄への入力は任意です。

【申込締め切り】10/12(火)とさせていただきます

③振り込み確認ができ次第、当日の視聴URLが届きます。

 ※手作業で確認しますので、数日かかる場合があります。あまりに遅いようでしたら、事務局(awanaoko.lilac@gmail.com)までお問い合わせください。 

④当日(10/17(日)14:00~16:30)、視聴URLをクリックして、会をお楽しみください!

 当日の遅刻参加や早退は、ご自由にできますので、事務局へのご連絡は不要です。

 【ご注意ください】

当日の視聴URLは、ZOOMからお送りします。

送信アドレス:no-reply@zoom.usからのメールを受信できるように、設定をお願いします。

 

 

 

7月 ライラック文庫の会ご報告

 

7月11日(日)、ZOOMにて、

ライラック文庫の会を開催いたしました。  

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参加者は9名(内スタッフ2名)、

3時間があっという間の、

気の置けない、なごやかな会となりました。

 

 

 

 〇安房直子作品論「一回性と永遠性~切なさと憧れを描き切る、そのわけを解きほぐす~」(発表 加藤はるこ)

 

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光栄にも発表の機会を与えていただき、拙いながらも推敲を重ねて発表の日を迎えました。
 なかなかログインできず、皆様をお待たせするというご迷惑をおかけしながら、なんとか発表を終えられました。
 今回、わたくしは、安房直子さんの童話の持つ「切なさと憧れ」から「永遠性と一回性」という要素に着目したのですが、そこから参加者の皆さんが様々なご意見をくださり、瞠目させられる喜びを頂きました。
  
 わたくしの作っている安房直子さん作品の分析サイト
https://scrapbox.io/TypeAWANAOKO/でも、新しい視点を取り入れられそうです。
 今後も、安房直子ワールドを更に深掘りしていきたいと思います。
 
 

安房直子単行本未収録作品紹介『水あかり』(朗読 松多有子)

 

 

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前半、不思議な女の子との、あまり起伏のないやりとりの後、後半、不思議な花火の家で起こるスリリングな展開。
気持ちを一気に持っていかれて、まるで自分が花火の家にいるような、不思議な感覚でのめりこんで読んでいました。
夜空に一度切りの大華を咲かせ、散っていく花火。そんな花火になるのも良いかもしれないと一瞬でも思ってしまった主人公「私」に、思わず共感していることに気づき一緒に身震いする自分。
安房作品には、いつも、少し怖くて、切なく、不思議な安房ワールドに連れていかれてしまいます。そんなところが、ずっと安房作品に魅かれ続ける理由でしょうか。
また次の文庫の会で未知の安房作品に出会い、皆さんと語りあえる日を楽しみにしています。
 
 

〇参加者感想

 初めてのzoomでしたので緊張もありましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。
改めて安房直子さんの世界の素晴らしさを感じました。(匿名希望)

 
今回初めて文庫の会に参加させていただきました。
子どもの頃に安房さんのお話に出会って、何度も読み返してきましたが、今まで一度も、他の安房さんファンの方に出会ったことがなかったので、文庫の会でたくさんの方と出会い、大好きな安房さんの作品の世界についてお話できたのはとても幸せでした。初対面でそれもオンラインでしたが、安房さんの作品への大好きな思いは伝わるものだなあと、感動しました。
まだまだ読んだことのない作品がたくさんあるので、これからもっともっと読んでみたいと思います。また次回も楽しみにしています! (匿名希望)
 
初めて出会った女の子が実は、花火だったという発想がとてもおもしろかったです。くつをなくしてしまった女の子に自分の買ったばかりのお気に入りの長ぐつを貸してあげようと思えるとても心優しい女の子だなと思いました。最後に花火の女の子がそのお礼に綺麗に花火にあがってくれたところがとても感動的でした。(河内美香)
 
第一部
発表について 毎回メモを取りながら楽しく聞いております。
時間の枠から離れて、
独立した事象のみに囲まれ過ごす 閉じられた 永遠の世界からの誘いと
一定の時間枠の中で、過酷な別れに、同じではいられない切なさを抱えて成長しながら生きていく主人公の姿
対比と、選択についてのお話は、物語の世界でありながら、
惹かれるものに引き裂かれる想いについてのリアリティを感じ、
物語を読む楽しみが深まりました。
加藤さんの
美しい形容詞の標本のような分類表も話題になり、勉強になりました。
 
単行本未収録作品では
主人公が作家を離れて動き出したような、不思議な楽しさを味わいました。
煮詰められた透明で甘いべっ甲飴の様な印象で、何度も読み返したくなりました。
(やしまかずこ)
 
 

 

 〇次回文庫の会予定

次回文庫の会は、2022年1月の予定です。

 
 
 
 

 

 

文庫の会<7/11(日)>ZOOM開催のお知らせ ほか

コロナ禍で、まだまだ油断のできない毎日ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

ライラック通りの会では、引き続き、オンラインでの文庫の会開催を企画しております。

 

◎7月ライラック文庫の会ZOOM開催のお知らせ

~みんなで、たのしく、語りあいましょう!!

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日程:2021年7月11日(日)午前10時~午後1時

※一週間前の7月4日(日)に接続テストを実施します。

参加費:504円(※84円切手6枚をお送りください)

お申込みいただいた方に参加費送付先をご連絡します。

お申込み先:awanaoko.lilac★gmail.com

(★を@にしてお送りください)

定員:10名前後(先着順)

プログラム:

安房直子作品論

「一回性と永遠性~切なさと憧れを描き切る、そのわけを解きほぐす~」(発表 加藤はるこ)

取り上げる主な作品:「花のにおう町」「きつねの窓」「三日月村の黒猫」等

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安房直子単行本未収録作品朗読

「水あかり」(朗読 石川珠美)

◎懇談

※文庫の会参加URL及びZOOMの操作方法、タイムスケジュールなどの詳細は、お申込みいただきました方に個別でメールをお送りします。

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安房作品収録:「石の文学館 ─鉱物の眠り、砂の思考」和田博文・編(ちくま文庫)が発売!

安房直子さんの作品「奥さまの耳飾り」が、宮沢賢治安部公房草野心平柳田國男芥川龍之介らの物語とともに掲載されています。うれしいですね。

924円(税込)4/12発売

石の文学館 鉱物の眠り、砂の思考(ちくま文庫)

 

秋の会 ~ 安房直子さんのエピソードを語る 2021年10月 ZOOMで開催予定

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安房直子さんと 同人誌「海賊」等で親交のあった「花豆の会」元世話人3名が、安房直子さんのこと、作品との出会いなど、を語ってくれます。

安房さんの直筆原稿や写真、初期の作品の初出同人誌も紹介予定です。

日時や申し込み方法等の詳細は、8月にブログでお知らせします。お楽しみに!

 

安房直子

 

 

「春の日に安房直子のラブ・ストーリーを聴く会」ご報告

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3月28日の桜の花の満開の日に、オンライン朗読会「春の日に安房直子ラブ・ストーリーを聴く会」を開催いたしました。初めてのZOOM開催ということでしたが、日本全国から65名もの方にお聴きいただくことができました。5人のさまざまな個性の読み手が安房直子ラブ・ストーリーを読む、春の日にふさわしい素敵な時間を皆さまにお届けできて、スタッフ一同とても嬉しく思っております。

 

目次

 

◆出演者の感想

1. さんしょっ子 (朗読 近江竹生)

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この作品を読むと、いつも子供の頃に見た美しい風景が心に蘇ります。例えばそれはてっぺんに花の咲いた茅葺き屋根の家、馬が通る土ぼこりの上がる道…。初めて朗読するこの作品で、生きてることは切ないなぁと改めて感じる今日この頃です。

今回4人の方の朗読を聴かせていただいて、安房さんの作品の懐の深さというものを改めて感じました。50歳の若さで亡くなられたことが、本当に残念に思います。

 

2. ころころだにのちびねずみ (朗読 永田陽二)

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現在は絶版の絵本から、かわいいネズミのカップルのくすぐったくなるようなメルヘンを童心に帰って演らせていただきます。脇役ながら、「歌う百合の花」の存在感が素敵な味付けになっています。

前回は『すずめのおくりもの』のスズメ、その前は『だんまりうさぎ』のウサギをやりましたが、今回はネズミに挑戦しました。安房さんの童話にはいろんなかわいい動物が出てきてとても楽しいなあと思いながらやらせてもらっていますが、今度はどんな動物になろうか?といろいろ考えております。

 

3. 日暮れのひまわり (朗読 秋元紀子)

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愛するものを独占したい、自分のものだけにしたいという少年の気持ちは、それはそのまま、ひまわりにも、そして私たちにも多かれ少なかれあると思います。とても人間くさく、男女の愛がぎゅっと詰まった短編映画のようです。今回はこんな素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございます。

私は普段一人語りで公演をやっているので、今回皆さんといろいろ「こうしたらいいね、ああしたらいいね」と知恵を出し合いながらやったのが本当に楽しかったです!また是非みんなと一緒にやれたらいいなと思っています。

 

4. 猫の結婚式 (朗読 原田達也)

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永田さんの「ストーリーテラーズ」に参加したご縁で出演させていただきます。一人で挑む安房作品、いやー、緊張してます。どんなふうにお届けできますやら、楽しんでいただけるよう努めますっ。

今回は会場開催ができず残念でしたが、その分距離の壁を越えてお届けできたということはよかったと思います。いろんな場所でお楽しみいただけたなら何よりです。5つのラブストーリーは、安房直子という作家の幅の広さを感じることもできましたし、待っている間聴いているのも楽しかったです。

 

5. 奥さまの耳飾り (朗読 野田香苗)f:id:lilac-dori:20210404001303j:plain

題名の神秘的な響きに惹かれ、スペクタクルなお話に、私は魅了されました。古代には身分の象徴に使われた耳飾り。奥様には、旦那様からの愛の象徴であったのでは?時を戻せない運命の切なさが胸を打ちます。

今日はラブストーリーというテーマで、いろんなお話を私も聴きながら楽しみましたし、皆さまにお届けできて何より嬉しいことでした。今日は後ろに百合の花を飾りましたが、安房さんの作品にはさまざまな花が出てきます。「奥さまの耳飾り」にはクチナシの花が登場しますが、クチナシの花は、初夏に咲くお花だそうです。これからの季節クチナシの花の香りがしたら、またこのお話を思い浮かべていただけたらと思います。

 

◆視聴者の皆さまからの感想

「ラブストーリーを聞く」とても素敵でした!
安房さんの物語がそれぞれの魅力的な声を通して語られて
その世界にすっぽりとはまり込んでうっとりしてしまいました。
ことに「日暮れのひまわり」「奥様の耳飾り」は
大好きな作品なので格別の響きで最高の贈り物をいただきました。
安房作品が更に波のように広がって生きますように。

(味戸ケイコ様)

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ラブ
と一口に言っても
色々なラブがあるのだなぁと思いました。
叶わないと分かっていても相手を思わずにはいられないような種族を超えた思い。
それらを童話的に表現されていて美しく、愛らしく、微笑ましく感じました。
朗読は自由に想像できるので、異世界の空気に包まれるようで好きです💗
皆様それぞれに個性的で 時に面白く 時に切なく 笑ったり、寝っ転がったり
zoomならではの自由な姿勢で聴かせて頂きました。

(かじりみな子様)

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今日は本当にありがとうございました。
お陰様で久しぶりに安房さんの世界に浸ることが出来ました.
開始前のピアノの音に既にウルウル
皆さまのご苦労のおかげです! 5話の中1話だけが初めてでしたが
しみじみと聴かせて頂きました

(川口岱子様)

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どの作品も、初めて聞く作品でした。そして、ファンタジーでありながら、全く違う展開で、近江さんが仰っていたように、奥が深いなぁと思いました。ホントに、早くに亡くなられたことは、残念なことです。
お話も多様でしたし、語られる皆さんも、個性豊かで楽しませていただきました。
絵も優しくて、ステキ!どの絵も、丁寧に描かれていて、手元に残らないのが、残念です。心癒されました。ありがとうございます。
遠くにいて、交通費もかからず、本代にもならない格安の配信に、感謝、感謝。ありがとうございました。今後も、皆様の活動が、多くの方に喜ばれ、幸せの種をまき続けて行けますように。遠くから、祈っています。

(匿名希望)

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・さんしょっ子

語りで聞くのが初めてで、お歌も素敵でした。
風に乗っていったさんしょっ子、幸せにならないはずはないと思いました。
お手玉、その中の小豆に込められた無償の愛をのこして亡骸でさえも喜びの薫りを残すすりこぎに豊かで素敵な物語だなあとつくづく思いました。

・ころころだにのちびねずみ

出会いのさわやかさが楽しくて、百合の花の歌ががなんとも素敵なスパイスだな~と思いました。無くしたものよりも、欲しかったものよりも、もっともっと素敵なものが手に入る 出会いがそれを作る 楽しかったです。

・日暮れのひまわり

夢のようなひとときに感じました。「胡蝶の見る夢」のようにも思える幻想的な感じでした。少年の恋する魂だけが青く透き通った真実で あとのことは謎がいっぱい
少年は水の下で踊り子さんと再会できたのか 踊り子さんは肉体の制限や重力から解放されて踊るのかなといろいろと思いました。向日葵さんにとって 誰かを思うこころを知ることが、なお明るく花開く力に変わっていけばいいなと思いました。

・猫の結婚式

語りのリズムがすごく楽しくてほんとに沢山の参列者やレインハットがずらりと並んでいるようで。楽しかったです自分も参列者の様な臨場感があって、こんな風にワイワイと皆でお祝いができるといいな~と楽しく聞いていました。リズミカルで、自分で読んでいるときよりもずっと楽しかったです。

・奥さまの首飾り

大雑把な私には「耳飾りというものは、もともと、なくなってもおかしくないもの」ではあるので、奥様のある日常がそれによって変化していくことの儚さと、海を渡ることのロマンスが鮮やかに対比されて写りました。クジラの旦那様がほんとにかっこよく聞こえました。奥様の日常の豊かさは、くじらさんのくれた大いなる安らぎの表れのように思いました。小夜という少女の視線や存在は「真夏の夜の夢」のお小姓さんみたいダナと思いましたとても楽しいお話をありがとうございました。

(やしまかずこ様)

 

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全てのお話を楽しく聴かせていただきました。その中で特に印象に残った2つをとりあげます。
●「奥さまの耳飾り」
まず題名の「耳飾り」、この言葉の響きが良く、それだけで心を掴まれました。イヤリングという言い方をしなかった点に、奥様は旦那様と違って、異国には行ったことが無く一か所にとどまっている、そして、一か所にしかいられない事情があるのでは、想像ですがそんなイメージが浮かんできました。
(もしお話のなかに異国へ行ったことがあるといったくだりがあれば失礼をお許しください。聞き逃していました。)
 
●「日暮れのひまわり」
ひまわり、少年、それぞれの濃い片思いが、日暮れの景色と相まって重苦しく感じ、胸が苦しくなりました。少年がどこかで生きているのか、いないのか、走ってどこかに消えてしまい、わからない、果たしてそんな状態でよかったのか。ひまわりは少年を隠して逃がしてあげたけど、捕まったほうがその後の居場所がわかり、少年の存在を感じることができたのかもしれない、でも思いが通じないならば、どこかへ消えてもらったほうが幸せなのかもしれない、いろいろな想いに駆られました。これが天気良い昼間だったら、爽やかな朝だったらこんな苦しい思いにはならなかったような気がします。日暮れがいけない、日暮れが恋の哀しさを増しているように感じました。

 (匿名希望)

 

 

 

◆今後の催しについて

日程は未定ですが、7月にオンラインでのライラック文庫の会を開催予定です。

テーマは、安房作品における「一回性と永遠性」。

詳しいことが決まりましたらお知らせいたします。

 

◆春の会会計報告

開催が1年延期となったためチラシの印刷が2回必要となり、赤字となりました。赤字金額につきましては、全体会計より補填をいたします。

収入:

参加費(65名×1000円)

65,000

支出:

出演者へのお支払い

18,500

 

演出謝礼

15,000

 

ZOOM使用料(2月・3月/ウェビナー使用料)

15,643

 

チラシ印刷・送料(2020年)

7,144

 

チラシ印刷・送料(2021年)

5,549

 

通信・事務費

4,717

残金:

 

-1,553

 

◆1月文庫の会会計報告

赤字金額につきましては、全体会計より補填をいたします。

収入: 参加費(9名×504円) 4,536
支出: ZOOM使用料(12月・1月) 4,400
  通信・事務費 1,524
残金:   -1,388

 

◆2020年度全体会計

3名の方にご寄付をいただきました。大変ありがとうございました。ご芳名については、郵送版ブログにて記載させていただきます。

 

収入: 前年度繰越 7790
寄付金ほか 41380
支出: 郵送版ブログ 10290
未収録作品保存活動 12136
ZOOM(9月~11月) 6600
通信・事務費 794
1月文庫の会補填 1388
春の会補填 1553
残金: 収入49170-支出32761 16409

安房直子作品「まほうをかけられた舌」が天声人語に掲載されました

2021年2月28日の朝日新聞天声人語」に、安房直子作品「まほうをかけられた舌」が紹介されました。

 

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「まほうをかけられた舌」は、1970年に『海賊』17号に掲載されました。食べたものすべて、どんな隠し味でもわかるようになる舌をこびとの魔法によって手に入れた洋吉は、一流レストランの味を次々に再現して成功をおさめます。

しかし、どうしても再現できない味に出会い、洋吉は仕事が手につかなくなります。その味は、そう、亡くなった洋吉の父のレストランの味なのでした。

ふくよかな味わいのサンドイッチ、ジャムにピクルス、生姜にニンニク、シナモンやクローブの入ったカレーなど、おいしそうな料理がたくさん出てくるこの作品は、現在は偕成社安房直子コレクション2『見知らぬ町ふしぎな村』等で読むことができます。