安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

春の文庫の会「安房直子のお料理会」ご報告

6月4日(日)、新松戸のおうちスペースflatにて、春の文庫の会「安房直子のお料理会」を開催いたしました。

去年に引き続き、火星年代記さん(Twitter ID︰rayray23250052)をお招きし、安房直子作品に登場するお料理のオリジナルレシピを伝授いただきました。

参加者は10名(うち、世話人の松多、石川含む)、80代の男性から、11歳の小学生、高校3年生にもご参加いただき、終始和やかな雰囲気での楽しいお料理会でした。

 

メニューは、まずはアペリティフ。とろりと濃厚な青梅の砂糖づけのシロップ。「カスタネット」のすずかけの娘が信太を誘惑する口実に使った魅惑的な飲みものです。砂糖づけの青梅もカリカリで美味です。

そして、「月夜のテーブルかけ」で、ゆきのしたホテルで供されるたんぽぽのサラダ。レシピは石井好子さんから。フランスでは春先はたんぽぽの若葉を摘んで、こんなサラダにして食べるそう。ゆで卵とカリカリベーコンが、たんぽぽの葉の苦味を和らげます。甘めのドレッシングをまとわせて。赤いお椀は、「ききょうの娘」へのオマージュです。

メインメニューは、あの、「うさぎ屋のひみつ」に登場する、とり肉のくるみソース。ローズマリーローリエをきかせ、粒を残したくるみの食感と濃厚さが美味しい、すばらしいメインディッシュ。まるでリアルなうさぎ屋!!と、みなさん感嘆のスパイスケースもお持ちいただきました。

くるみソースとの食べ合わせ抜群だった、麦ごはんのおむすび。蓋付きフライパンで炊きあげ、ふっくら美味しいおむすびに。お皿は「鶴の家」の青い大皿をご用意。お塩は、スーパーで一番高かった沖縄産のお塩を奮発しました。

そして、本日のハイライト、「花びらづくし」の花びらゼリー!! あの憧れの桜の花びらゼリーです。桜の葉の上にのっていて…という細部も忠実に再現くださいました。桜の色とお味は、アセロラジュースを使って、と、火星さんの工夫が光る、美しくも美味しいスイーツでした。

食後には、中国茶と、差し入れでいただいたお菓子を皆で。

大変、美味しくてたのしいお料理会になりました。

片付けのあとは、仁藤眞理子さん特製の、安房直子作品モチーフの大かるた大会。白熱した戦いに。賞品は、沖縄産の高いお塩と、桜の花びらの塩漬けです。

お土産は、今日皆で仕込んだ、青梅の砂糖づけ。砂糖が溶けたら青梅は食べられます。滲み出した甘酸っぱい梅シロップは、4倍に薄めて、氷を浮かべてどうぞ!! 炭酸で割るのもよいですね。

火星さんの的確な指示のもと、皆さんテキパキ動いていただけて、用意も後片付けもあっという間に、実に手際よく、すすみました。ありがとうございました。

 

来年もぜひ、また、よろしくお願いいたします!!

(レポート︰石川珠美)

 

火星年代記さんコメント

安房直子のお料理会』、ありがたいことに昨年に続き、2回目の開催となり、再びお声をかけて頂きました。

今回は、石川さんがお求めになった『ききょうの娘が持っていたようなふたつきのお椀』と『鶴の家の大皿のような青いお皿』という素敵な器たちを活かしたいというテーマもあり、そこからお料理の組み立てをしていくのもわくわくする時間でした。

時期が合わず諦めた食材とお料理もいくつかありましたが(また次の機会があれば、作りたいですね!)、最終的にはアペリティフらデザートまで、見事な一揃いのコースとなりました。

それぞれのおいしさ、作る過程の楽しさは、皆様が体験してくださった通りです。
私は主にとり肉とゼリーの担当をさせて頂き、石川さんは青梅砂糖漬けとサラダ、おむすびの采配を振るってくださいました。

参加者の皆様も、本当にてきぱきと働き者の方ばかり……準備から、手分けしてのお料理、盛り付け、後片付けに至るまで、全員が大活躍でした。
この場をお借りして、改めて皆様に、心からお礼を申し上げます。

すずかけの精に誘われる甘酸っぱい梅の飲み物に始まり、ゆきのしたホテルでたぬきの振る舞う、かわいらしい色彩のたんぽぽサラダ。対価を差し出してでも食べたい、うさぎ屋のとり肉のくるみソース。鶴の贈り物の大きな青いお皿に盛られた、麦ご飯のおむすび。最後は桜の精のひらく市のお土産、花びらゼリー。

安房直子さんが描き出した、近くて遠い隣人たちの住む世界のごちそう。それを作って食べて、ほんの少しだけ物語の中に入れたような気持ちになって頂けたなら、とても幸せです。


もしも次のお料理会の企画を頂けたなら、ライラック通りの会の皆様、石川さん、松多さん、そして参加してくださる皆様のお力をまたお借りしながら、お料理を通じて物語を味わう体験を広げて行きたいと思っています。

 

★参加者のみなさまコメント

・本日は素敵な会を開催していただきありがとうございました。
準備大変だったと思います、おつかれさまでした。
火星年代記さんのお料理、とっても美味しかったです!
くるみソースととり肉はもちろんのこと、麦ごはんとの相性がよくて、くるみソースを塗って焼きおむすびにして食べたくなりました。
話にも出てましたが、五平餅風にしても美味しそうでした。
たんぽぽサラダは甘いドレッシングがよくなじんでいて、いくらでも食べられそうな美味しさでした。
桜ゼリー、美しく美味しかったですね。
梅のシロップ漬けは、素敵な食前ドリンクでした。
お土産までいただいてしまって、ありがとうございました。
かるた面白かったです。
知らない作品がまだまだ沢山あることがわかったので、安房さん読書の楽しみが増えました。(アイダミホコ)  
 
・今日はとても楽しい一時を過ごせましてありがとうございました。
美味しい料理 食後のカルタ大会 全て楽しかったです。
それにつけても 皆様のカルタの折にわかった安房作品の読み深し 感心したと同時に あーまたこれからの楽しみを発見したという喜びがありました。(八島秀二)
 
・子どもの頃、安房直子さんの物語を読みながら「美味しそうだなぁ。食べてみたいなぁ」と 憧れていたあのお料理、このデザートが頂けるなんて、夢のようなひと時でした。あの頃の私に「大人になったら、このお料理が食べられるんだよ」と教えてあげたいです。
昨年に続き、2回目の参加でしたが予想を超える美味しさ、楽しさでした。物語の中のお料理を作って食べられる機会は、なかなかないので続けて頂きたい企画です!
次回のメニューは何かしら?楽しみにしています。(gentle finger window)
 

★お料理会会計報告

 ※ 講師 火星年代記さんへのお礼
 ◎ 残金は全体運営会費に繰入れ
 
ご参加頂いた皆さま、どうもありがとうございました。楽しい会になりました。
次回はどのお話から、どのお料理が選ばれるのかしら?楽しみですね。
 (会計報告:松多有子)