安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

安房直子のお料理会、ご報告

 

安房直子のお料理会ご報告

5月15日(日)、火星年代記さん(Twitter ID:@rayray23250052)をお招きして、新松戸「おうちスペースflat」さんにて、『安房直子のお料理会』を開催しました。

 

参加者10名(うち、スタッフ2名  石川珠美・松多有子)、

メニューは、

*小鳥とばらのパイ(「小鳥とばら」)

*あわだつ緑色ののみもの(「緑の蝶」)

*月のようにまるいプリン(「サフランの物語」)

*ロシア紅茶(「あるジャム屋の話」)

*すみれの花の砂糖づけ(「月夜のテーブルかけ」「コンタロウのひみつのでんわ」)

 

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まずは、プリンの下拵え。

火星年代記さんの明瞭でわかりやすい説明と確かな腕さばき。


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プリンを焼き、冷やしている間に、あの、憧れの小鳥とばらのパイをつくります。レシピは、火星年代記さんオリジナルの、ホワイトソースと鶏肉とばらのパイ。ばらは、無農薬の食用ばらを取り寄せましたが、火星年代記さんのお宅のばらもご提供いただきました。


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パイをオーブンに入れて焼いている間に、すみれの花の砂糖づけを作ります。すみれは手に入らなかったので、代わりに無農薬の食用パンジーを。参加者のおひとりが、お庭のパンジーも、追加でもってきてくださり、予定より豪華になりました。

こちらは持ち帰りのお土産で、おうちでざるの上に広げて2日ほど干して、完成です。


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パイが焼きあがりました。


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冷やしていたプリンを、型からはずしていきます。火星年代記さんにレクチャーを受けて、ひとりずつ、気合を入れて「っそい」!!


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あの、異界ののみもの、「緑の蝶」のあわだつ緑色ののみものを、みなさんのグラスに注ぎます。


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さあ、会食です。

パイには、赤いばらの花びらを散らしました。

「小鳥とばら」の少女のように、いささかお行儀悪く、手掴みでいく参加者も。

ばらがほんのり香り、ホワイトソースとからんだ柔らかい鶏肉が美味しい~!!

あの魔術的なパイが再現できてしまったなんて、と興奮気味です。


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ロシア紅茶は、プリンと一緒に。

プリンは、練乳だけの甘さがなんとも美味しく、そして、本当に月のようにまんまるきれいにできました。

紅茶は、つくばの茶葉専門店「花水木」さんのグレイスとフラワーガーデン2種。ジャムは、安房直子さんがお好きだったという軽井沢のジャム専門店「沢屋」さんのあんずジャム。


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あんずジャムで、紅茶の味と香りが変わる、そのマリアージュのさまをたのしんでいただきたかったのですが、小鳥とばらのパイのインパクト大で、いささか影がうすくなってしまったロシア紅茶です。

 

後片付けのあとで、いつもライラック通りの会のブログに素敵なイラストを描いてくださっている仁藤眞理子さん特製かるたでかるた大会を。この札は、あのお話?  こんなお話もあるのね、と、お話の輪が拡がり、かるた取りも白熱した戦いが繰り広げられました。


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たのしいかるた大会と、憧れのお菓子を再現したことで、一同、興奮さめやらず、の、1日でした。(レポート:石川珠美)

 

火星年代記さんコメント

火星年代記さんからの、会を終えてのコメントをいただきました。

「『春のお料理会』ご参加下さったみなさま、お疲れさまでした。そ して、本当にありがとうございました。

子どもの頃に読んでからずっと食べてみたかった、小鳥とばらのパ イ。一人で作って楽しんでいたら、それを見て下さった石川さんか ら、お料理会を開いてみませんか?と素敵なご提案を頂きました。
パイにプリン、すみれの砂糖漬けとロシア紅茶。あわだつ緑の飲み 物も……と、相談している間からもう、魔法にかかったようにわく わくていました。

そして迎えた当日、たくさんの方が集まって下さいました。笑いの 絶えない和やかな雰囲気の中、みなさまの手際の良さといったら… !!お料理はもちろん、洗い物もまたたく間にきれいにして頂いて 、これもまた魔法かと思うほどでした。

ばらを閉じ込めたきれいなパイが次々と作られて、焼き上がってい くいい香り。
ビオラに砂糖をまぶしていく、アクセサリー作りのように繊細な作 業の楽しさ。
プリンを型から出す「っそい!」を全員が成功させた、賑やかな拍手!
きりりとよく冷えた緑の飲み物をグラスにサーブして頂いて、実食タイムです。

それぞれの方が心の中で大切にしてきた憧れのパイ。もしかして、 食べてみたら想像と違って、夢が壊れてしまわないかしら………? と一抹の不安を抱いていましたが、おいしい!!と喜んで下さる笑顔を見て、その不安は吹き飛びました。
安房さんが本に記した不思議な魔法の力をほんの少しお借りして、 全員の憧れを鍵に、物語のパイが現実世界に現れてくれたのだと思 っています。

良い香りの紅茶に、沢屋のあんずジャムをたっぷり入れたロシア紅 茶でジャム屋さんと鹿の娘さんに思いを馳せた後は、石川さんにご 持参いただいた安房直子作品ゆかりのかるた大会が白熱し、 最後までとても楽しい会となりました。

改めまして、みなさま本当にありがとうございました。
安房直子さんの描かれたおいしいものはまだまだたくさんありますので、いつかまた『○○のお料理会』でお目にかかれる日を、心より楽しみにお待ちしております。(火星年代記)」
 

 

*参加者のみなさんからのコメント

「 とても素敵なお食事会をありがとうございました。
安房さんのお話といえば美味しいもの!
ネムリ堂さんの労作のおかげもあって(注:世話人石川の私家版冊子『安房直子のお料理レシピ』のこと)、 食べ物の解像度が上がっていたのですが  まさか本当に味わえる日が来ようとは!(自作する腕はない)

石川さん、火星さんのていねいなご準備もあって、どのお品もたいへん美味しくいただきました。
バラとことりのパイの美しくも詩的なことといったら…!
また季節の違うレシピで催していただけたら、 お茶碗洗いにすっ飛んでまいりたいと思います。

児童書好きなみなさまとの語らいも楽しく、 たいへん幸せな一日となりました
素晴らしい経験をありがとうございました!(うたがた)」

             

安房直子の世界を共有できるみなさんとすごす時間がとても貴重で楽しかったです。大好きなお話「小鳥とばら」からまさに小鳥とばらのパイを、ということで、自分にとっては本当に不思議で嬉しい体験でした。ばらのはなびらをパイに包む行程といい、食べた時ふわりと抜けるばらの香りといい、夢の中にいるような心地でした。泡立つ緑色の飲み物も、月のようにまるいプリンも、ロシア紅茶も、本当に素晴らしくて、奇跡のような時間だと思いました。火星年代記さんの楽しくてためになるお話、ネムリ堂さんの知識と心のこもったご準備も素晴らしかったです。参加者の皆さんのおしゃべりも楽しかった!それから、ネムリ堂さんが用意してくださった仁藤さんのカルタを、安房直子ファンの方々と一緒に遊べる、というのもとても嬉しくて楽しい出来事でした。
とにかく楽しい嬉しいばかりの1日となりました。本当にありがとうございました。
(みちのそら)

             

「心待ちにしていた「安房直子のお料理会」・・・会場で看板を目にした時のワクワク感といったら!昔、安房さんのお話を読みながら、美味しそうなお料理を想像して「食べてみたいなぁ」と憧れていたことを思い出しました。
どのお料理も、ウットリするほど美しく、美味。全品完成してテーブルに並んだ時には、ワクワク感MAX!子どもの頃の自分に「あのお料理が、今、食べられるんだよ。」と教えてあげたかったです。

妖しげに『あわだつ緑色ののみもの』はスッキリ飲みやすく、身体の隅々まで行き渡るような優しいドリンク。
『小鳥とばらのパイ』は、中に薔薇の花びらを少量入れたのですが、パイの中に香りが充満していて、切り開くとフワッ、食べるとフワッ、気高い薔薇の香りが驚くほど味わえました。
『月のようにまるいプリン』は、隠し調味料?贅沢に混ぜ入れた練乳効果で、程よい固さでプリンプリン、程よい甘さで、艶やかなカラメルと絶妙なハーモニーを奏でていました。

そして、帰宅後もお楽しみは続いたんです!
『すみれ(今回はパンジー)の花の砂糖漬け』こちらは2日間ほど乾燥させた後、味わえます。まずは瓶に入れて、美しい色を暫く楽しもうと思います。

講師の火星年代記さん、ネムリ堂さん、こんなに素敵な楽しい会をありがとうございました。加えて、安房直子さんの作品で盛り上がれた、安房直子さんで繋がることが出来た、参加者の皆さまにも感謝です。ぜひ、第二弾あると良いなぁ・・・今から、心待ちにしています。(gentle・finger window)」     

      

*お料理会  会計報告



*2名の方にご寄付を頂きました
★残金は全体運営会費に繰入れ(会計報告:松多有子)

 

お料理会、また来年もメニューを変えて、開催してみたいです。