安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

第3回 安房直子のお料理会、開催!

9月23日(月・祝)、昨年に引き続き、火星年代記さん(X ID︰rayray23250052)を講師にお迎えし、第3回の安房直子お料理会を開催いたしました。

参加者10名(スタッフの松多、石川含む)、中学生男子や、はじめてのご参加の大学生のかた、常連のかたのご参加、たのしく和やかな会となりました。

 

まずは、「火影の夢」の、謎めいた魚介のスープに着手。サフランの黄金色が美しいです。

(↑※下写真2枚:ともに火星年代記さん提供)

 

そして、「ききょうの娘」のとうふのくるみあえ。

器は、原作のすすきの器に近い漆器を入手、今回のお料理会で、初お目見えです。(内側が赤でなくて残念…! 外側は赤く、内蓋にすすきの模様のあるおわんです)

画像

(※下写真:火星年代記さん提供)

 

「遠い野ばらの村」の野ばらまんじゅうを仕込みつつ、「海の館のひらめ」魚の形のパイを各自成形。

野ばらまんじゅうの上にちょこんと載っている野ばらの塩漬けは、火星年代記さんのお宅の庭に咲いた野ばらを手づくりしてもってきてくださったものです。

 

(※左側写真:火星年代記さん提供)

(↑※鳴滝さん提供写真)

魚のパイの中身は、マッシュルームとスモークサーモンと、挽きたての黒胡椒、そして、香草はディルとタイムの選択制で。

 

(↑※下写真2枚:火星年代記さん提供)

さまざまな表情、個性の魚たち!!

さて、実食タイムです。

憧れのサフラン風味のスープは、魚介とサフランの旨味たっぷりの複雑でゆたかなお味。

とうふのくるみあえは、くるみがカリカリ、さっぱりした箸休めに。

魚の形のパイは、香草のディルの鮮烈な芳香が…!

野ばらまんじゅうは、素朴でほんのり甘い皮に、野ばらの塩づけが美味しいアクセント。

差し入れのハイビスカスティーと、ハトムギ茶で、ほっとひと息。

今回も大、大、大成功の、美味しいお料理会でした。

今回、お皿は紙皿でなく、みなさんにご自宅からお持ちいただきました。

個性溢れるお皿のとりあわせも、ごらんください。

 (↑※写真提供:参加者のみなさま)

 

そして、恒例の仁藤眞理子さん作成のカルタで、カルタ大会を。1等の賞品は、野ばらまんじゅうに使いきらなかったまま未開封の甘酒です。

今回も、みなさまのご協力と、火星年代記さんのご尽力で、大成功のお料理会となりました。

(レポート 石川珠美)

 

★参加者からのご感想

◎今日はありがとうございました。
どれも美味しくてとても楽しかったです。特に野ばらまんじゅうは、前々から「食べてみたい!」と思っていたので嬉しかったです。(K・Mさんより)

◎今日は楽しい時間をありがとうございました。お料理も美味しかったし、かるたやおしゃべりもとても楽しかったです。

石川さまはじめ、お料理会に参加された皆様にお会いできたことも大変嬉しかったです。

また是非参加させていただきたいです。(くろすけさんより)

◎・とうふのくるみあえ:味付けの調味料がお砂糖だけで冷やしてあったこともありさっぱりとした味わいで美味しかったです。

サフラン風味の魚のスープ:魚介類のおだしがとてもよく出ていて美味しかったです。トマト缶が入ることでより食べやすくリゾットやスープパスタにしていただきたいなと思いました。

・魚の形のパイ:パイシート1枚でできるゴージャスなごちそうにうれしくなりました。サーモンとディルがよく合っていて美味しかったです。

・野ばらのまんじゅう:安房さんワールドらしい1品で美味しかったです。ピンクの野ばらと生地から透けるあんこのコントラストもほっこり感があってよかったです。

・すすきのおわんが素敵でした。

・かるた:第二位で景品をいただいくことができとてもうれしかったです!

とても美味しくて楽しいお料理会でした。

ありがとうございました!(アイダミホコさんより)

 

火星年代記さんよりひとこと

さて今年も、安房直子さんの作品に登場するおいしいものを作って食べよう!というお料理会が開催されました。ご尽力下さった石川さん、頼もしい参加者の皆様、おかげ様で大成功でした。本当にありがとうございました!!

『ききょうの娘』より、石川さんご持参の、すすきのお椀(まるでききょうの娘の嫁入り道具!)にこんもりと盛られた、とうふのくるみあえ。しんと冷えて口当たりもよく、くるみの香ばしさと柔らかなとうふのほのかな甘みが楽しい、山の秋の前菜です。

『火影の夢』より、サフラン風味の魚介のスープ。えび、イカ、貝に白身魚…魚介類から出た濃厚な旨味が、トマトとたっぷりの白ワインのスープに溶け込んで、サフランの香りも高くとびきりのおいしさに。塩だけとは思えない複雑な味、と皆様喜んでくださいました。

『海の館のひらめ』より、魚の形のパイ。これは参加者お一人ずつ、一枚のパイシートから成形します。焼き上がりにナイフを入れると、サクッと焼けた皮の中からスモークサーモンとマッシュルームとディルの香りが溢れ出します。

『遠い野ばらの村』より、野ばらまんじゅう。皆様楽しそうに、手際よくまんまるのおまんじゅうを作ってくださいました。もちっとした素朴な皮の中につぶつぶの餡、ちょんと乗っているのは本物の野ばらの塩漬け。塩気と甘みが絶妙でした。

皆様のチームワークでスケジュール以上に手際よく進み、できたてのお料理をゆったりと味わうことができました。テーブルのそこかしこで、お料理の感想とともに「一番好きな安房直子作品は?」「あのお話のここが好き!」「次はあの作品のあのお料理、食べてみたい!」と、楽しい会話に花が咲いていました。

めでたく3年目を迎えたお料理会イベント、今回も大成功に終わりました。ご参加の皆様とバックアップしてくださった皆様に、心からお礼を申し上げます。
また来年も、安房直子さんの世界で生まれたお料理を通して、皆様と楽しい時間を過ごしたいなと思っております。

 

★お料理会会計報告

3回目のお料理会。すっかりライラック通りの会の恒例イベントとなりました。
来年は、どの物語から、どのお料理が選ばれるかな?
皆さんのリクエストも反映されるかもしれません。楽しみですね!


★ご本ご寄贈

会員のT・Oさまより、安房直子さんの貴重な単行本、21冊をご寄贈いただきました。綺麗にパラフィン紙で包まれたご本、大切に保管させていただきます。