安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

「安房直子の秘蔵の童話を聴く会」ご報告

3月26日、Zoomミーティングによるリモート朗読会「安房直子の秘蔵の童話を聴く会」を開催いたしました。

申込視聴者は、44名(内アーカイブ希望15名)、北は北海道、南は福岡と、全国からご参加いただき、リモートの強みを感じました。

朗読作品は、刊行ほやほやの、「安房直子単行本未収録作品集」からの10作品です。

 

★うさぎの結婚式(朗読 安倍久美子)

 

★きつねの灰皿(朗読 永田陽二)

 

★ねがい(朗読 秋元紀子)

 

★貝の電話(朗読 野田香苗)

 

★月夜のオルガン(森田麻知代)

 

★山にふくかぜあきのかぜ(朗読 永田陽二)

 

★鏡の中(朗読 安倍久美子)

 

★たぬきの電話は森の1番(朗読 森田麻知代)

 

★赤いスカーフ(朗読 秋元紀子)

 

★雪の中の映画館(朗読 野田香苗)

 

「鏡の中」「ねがい」は、これまでの著作目録から漏れていた作品です。とくに、「鏡の中」は、今回の『単行本未収録作品集』作成の途中で、幸運にも発掘された、特別な作品です。朗読会でご紹介できて、嬉しいです。

「たぬきの電話は森の1番」は、小学校の教科書にも掲載されたことがあります。

 

今回の朗読会は、演者お一人につき2作品、と、バラエティ豊かで、みなさんの熱演に、あっという間の2時間でした。

来年は、ぜひ、オンサイトで、そして同時にリモートでも配信してみたい、と、終演後、そんな話で盛り上がりました。 

どうぞ、来年もおたのしみに!!

 

◆視聴者の皆様から寄せられたご感想

 

・「安房直子の秘蔵の童話を聴く会」配信、ありがとうございました。

2時間余りが、あっという間でした。

演じる方々の演出が、楽しかった。

なかでも、永田さんの演じられた「きつね」に、ほんとに、びっくり。

我が家には、「きつねの窓」を読むときに使う「きつねのぬいぐるみ」があるのですが、彼は、動くことができません。

永田さんのきつねは、ホントに生きていました。

我が家の電波状態の関係か、音が途切れがちだったのが残念ですが、遠方にて、なかなか朗読会を聴きに行けない私にとって、自宅で、参加できるということは、何にもまして、ありがたい企画でした。

またの機会を楽しみにしています。

ありがとうございました(草野真理子)

 

・拝見しました。

どの秘蔵作品も面白かったのですが、「ねがい」が大好きです。

新たなお話との出会いをいただき、ありがとうございました。(よみねこ)

 

・朗読会、youtubeで視聴しました。

1回目は画像を見ながら、2回目、3回目は、手作業の時のBGMとして音声だけを聞いてみました。
声だけの表現というのもいいものですね、肉声は癒されます。
皆さまそれぞれに工夫されていて、惹き込まれました。
永田さんの「きつねの灰皿」の小道具使い面白かったです!
たぬきのぬいぐるみとこたつがかわいらしかったです! 森田さん、たぬきコスチュームお似合いでした。
素敵な会をありがとうございました。(アイダミホコ)
 

・優れた楽しい語りをありがとうございました。
改めて安房さんの才能に感服しております。私は、日本女子大学山室静先生の講義を安房さんのお隣でご一緒に受講した「海賊」の会員です。途中から加わって教室の場になじめずにいた私に、帰りがけに小さく「さようなら」と声をかけてくださったのが安房さん。孤立した者への彼女の洞察力に感涙したことでした。その繊細な感性があの作品群に結実しているのだと思います。
彼女は今もって、私には妖精です。「どうしてあんなに作品が書けるの?」と尋ねた時、「手がひとりでに動くの。」とのお返事に彼女の才能の独り歩きを見ました。
安房文学の力が、その紹介に努めておられる「ライラック通りの会」を誕生させました。この会は、文字で読む作品に加えて新たな魅力を開発しています。
音楽と共に語られるその物語は安房文学に立体的な豊な側面を立ち上げました。
今後とも「会」のご発展をお祈りしております。(匿名希望)

 

・秋元紀子さんの「ねがい」は 少女(あたし)の心理を 想像することはできるけれど 少女の年齢から遠くはなれてしまったせいか 想像力に限界を感じてしまっている私を ぐっと引き寄せて近づけて 場面場面を よりリアルに感じさせてくださいました ラストなぜだか涙がでました・・・
永田陽二さんの「きつねの灰皿」は 単行本未収録作品集1・2・3にはまだ 掲載のない作品でしたので 特に楽しみにしていた作品でした とてもユーモラスでわくわく楽しい演出でした 自分で黙読するだけでは味わえない楽しみを いただきました
森田麻知代さんの「月夜のオルガン」は 弟たぬきのお声がかわいらしく とてもあっていてイメージ通りでした 小道具等もよかったです
野田香苗さんの「雪の中の映画館」 聴きながら 自分の頭の中に風景・情景を想像する 余地をのこしてくださる お声がよくて安定している朗読 とても素敵でした (K.A)
 
・どれも楽しく圧巻でした
「鏡の中」は 夢のようですね 素敵な布とマントの流れる動き 夢中で追いかける鏡の世界に引き込まれます。
何度も聞きたくなりました。
赤いスカーフがそりになるところ 華やかで楽しくなりました こうして自然と戯れたり交流出来たら楽しいだろうなあと感じまし
冬の映画館 熊の奥さんが 春を無理に映画から引き離そうとするのでなく、みんなを呼び込むところってとてもいいアイディアだなあと
そんな風になりたいなって思いました。
永田さんのお歌って楽しいなと思いました ほんとにもっと書きたいのですが 時間がなく 残念 思い出してはくすっと笑ってしまいそう!(安藤和子

 

・どの語り手さんも物語に合った個性的な演出をされていて、ワクワクしました。

特に印象に残ったのは「ねがい」、「きつねの灰皿」それから「たぬきの電話は森の一番」です。

真っ赤なマニキュアは怖かったし、きつねの惚けっぷりは可笑しかったし、たぬきたちはどちらも本当に愛すべきたぬきでした。

ただ同時に、“アイディアを物語に溶け込ませ、ひとまとまりの作品として表現する難しさ”も感じられました。

また、語り手のお人柄、ふだんの佇まいが朗読から伝わってきてそこも面白かったです。

誰がどの作品を語るかはどのように決められたのでしょうか?気になります。

一番好きになったお話はプログラム最後の「雪の中の映画館」です。

温かく透明感のある安房直子のエッセンスがたっぷり詰まった世界でした。(Mieko)

 

 皆さま、あたたかなご感想をありがとうございました。

今回の配役を決定したのは、

演出をご担当の永田陽二さんです。

ぴったり、すばらしい采配でした。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。