安房直子記念〜ライラック通りの会

童話作家 安房直子さんの世界を語り継ぐ

安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。


世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗  イラスト 仁藤眞理子
  事務局 安房直子記念~ライラック通りの会 awanaoko.lilac@gmail.com

秋の会「安房直子作品によるビブリオバトル Vol.2」のご報告

ライラック通りの会では、昨年より「秋の会」としてビブリオバトルを開催、

今秋2回目を迎えることができました。

「必要なものはたった1冊の本だけ!」

それなのに、ビブリオバトルの効果は、こんなにも

限りなく広く、果てしなく深いのだ、ということを早くも2回目の開催にて

実感する大成功の「秋の会」だったと思います。

まさにビブリオバトルの神髄である

「人を通して本を知る、本を通して人を知る。」

キャッチフレーズ通り、思いがけない作品に出合うことができただけでなく、

バトラーはもとより、参加者全員の、人となり、はたまた秘めたる才能の発見、

と人生を変える「出会い」があったこともお伝えしたいと思います。

 

目次

 

5人のバトラーの発表(本人による要約)

 

1.「秋の風鈴」   仁藤眞理子 

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 この物語は、ひとり暮らしの貧乏な絵描きのもとに、苦情のハガキが届くところから始まります。秋になっても、しまわずにいたお気に入りの風鈴の音がうるさいので、みんなが寝不足になっているというのです。

 いったい、どんな人達が不満を持っているのか、思い悩むうち、意地になってそのままにしていました。すると、十日ほどたって、きもがつぶれる様な出来事が起きて、ついには、風鈴をしまうことにしました。

 いったい何が起こったのか? そのあと、水の底にでも沈んだような日々を送っていた主人公ですが、ある朝何もかもすっかりなっとくして、心が晴れることなるのです。そこから安房メルヘンの謎解きが始まります。

 そして最後には、主人公と共に、私達をとりまく身近な自然を愛おしく思うのです。

 私は、この作品を1974年12月号の「詩とメルヘン」で初めて読みました。それは味戸ケイコさんの挿絵で、すきとおる様な美しい秋の風景が描かれていて、安房さんの作品をいっそう引き立てて、今も心の中に焼きついています。

 

2.「ふしぎな文房具屋」 尾上エミ子

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 ある町に、おじいさんが店番をしている小さな文房具屋がありました。ここでは、何でも消える消しゴム、何でも吸い取ってくれる吸いとり紙や虹から色をもらった絵の具など変わった文房具を売っていました。

 ある冬の日暮れどき、大事にしていた猫が死んでしまったという大きな悲しみを抱えた女の子が、悲しみを消す消しゴムを買いに来ました。

 おじいさんが描いた水仙の絵の中に、死んだはずの猫を見つけた女の子は、おじいさんに猫に会わせてほしいと頼みました。そして、おじいさんが作ったふしぎな眼鏡であの猫に会うことができました。

 猫と遊んでいるうちに女の子の心は喜びでいっぱいになり、楽しくて、いつのまにか悲しみを忘れていました。けれど、なぜか猫は空に昇って行ってしまいました。

 女の子は、思わず出て来た涙を拭くために眼鏡をはずしました。

 気がつくと、そこはお店の中でした。

 おじいさんは「帰ってきましたね。猫におわかれをしてきましたか」と聞きました。

 女の子は、にっこり笑って消しゴムと吸いとり紙をもらって帰りました。

 

3.「空色のゆりいす」 岡野尚子

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  空色のゆりいすは安房さんが二十歳のとき書いた処女作に近い作品です。
若いいすつくりの夫婦に生まれた目の見えない女の赤ちゃんが空色のゆりいすに座って心の目で空の色を覚えるというお話です。安房さんは色というものを言葉の力だけでありありと伝えてみたいと思っていたそうです。
 いすつくりは、ある日こくりと青い空を見て生まれつき目の見えない自分の子にたった一つの色を教えられるのなら空の色を教えたいと思いました。枯草の中にちょこんと座って空の絵をかいていた小さい男の子、実は風の子は、本当の空色は空からもらうんだよと言って、空から空色をもらう方法を教えてくれます。この場面のいすつくりと男の子のやりとりがとても可愛らしく、不思議で、この辺から幻想の世界へ引き込まれてしまいます。女の子は空からもらった空色をぬったゆりいすに座って空をおぼえます。ゆりいすというひびきもかたちもお話の世界へ誘うようです。こうして女の子は紅バラの色も海もおぼえます。何年もたち、風者の子は若となっていすつくりの弟子にしてほしいといってあらわれます。女の子にはその若者が空色をくれた人だとすぐに分かり、幸せなお嫁さんになります。
 いすつくり夫婦と女の子は生まれつき目が見えないという深い悲しみを静かに受け止めて、毎日の何でもない生活と自然の中で幸せになっていくのです。悲しみを底に秘めたやさしさが心に残ります。

 

4.「ねずみの福引き」 山崎よし子

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 すすきの原っぱやひと気のない林の小道、そんなところにその世界はきっとある…と思わせてくれたのが「ねずみの福引」のお話です。

ある時とうふやさんは、「とうふ1丁」を持参するという条件つきで、「ねずみの福引」に誘われます。辿り着いたねずみの町はお祭りの真最中で、

人間界と少しも変わらず、なんと酔っ払いまでいます。

 さて目的の福引は、というと賞品はなかなかで、1等は「たんすひとさお」から始まって、5等の残念賞は「花火1本」まで。

花火を引き当てて少しがっかりしたとうふやさんに、ねずみはささやきます。「いい花火ですよ、みんなが欲しがります」。

 とうふ1丁は寄せ鍋に姿を変え、パーティを盛り上げました。そして華やかなフィナーレに、線香花火がみごとな打ち上げ花火となって花ひらいたのです。

とうふやさんはその光景に目が潤みます。1本の線香花火がくれた感動を思いながら、夜道を急いだのでした。

心を揺さぶられる感動というのは地球の片隅に住むねずみからさえももらうことができるーこのお話はそれがテーマなのでしょうか。

私は、ちいさな感動のつみかさねで、私たちは心優しくなれるのかもしれないという、安房さんのメッセージを思うのです。

 

5.「雪窓」 永田陽二

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この作品には安房ワールドを構成する魅力的な要素が5つ入っています。

1「お店屋さん」本作では屋台のおでん屋さん。

 スピルバーグ映画の如く屋台が坂道を暴走する場面にドキドキワクワクです。

2「孤独な主人公」妻子を亡くした「ひとりぽっち」のオジサンが主人公。

 病気の6歳の娘を背負って雪の峠を越える回想場面に思わず泣きそうになり

 ました。

3「人語を喋る動物」タヌキが脇役として登場。

 オジサンを健気に支える彼にはぜひ助演男優賞を贈りたい。

4「失った人との再会」亡くなった娘が16歳に成長した姿でオジサンの前に現

 れます。

 哀しい出会いがたまらなく美しい。

5「死の世界への恐怖」森の中で襲いかかるモノノケ達。

 苦難を越えて隣りの村を目指すオジサンとタヌキの冒険を盛上げます。

起承転結の構成が絶妙な快作。新版の絵本を特にオススメします。

 

               🌷  🌷 

参加者によるディスカッション

秋の風鈴 

尾上 :今の季節にぴったりのお話!

    仁藤さんはよく、この作品を選ばれたと思いました。

生沢 :今の時代にもありそうなお話。それを安房さんは20年も前に書かれた。

みんな:ほんとに。冬でも風鈴を吊るしたままの人もいる。

参加者:そんなよくある情景を、よくこのようなファンタジーに仕立てた。

    素晴らしい。

仁藤 :最初「詩とメルヘン」で読んだが、味戸さんの絵も、マッチしていて印象深かった。

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ふしぎな文房具屋

尾上 :私の場合はワンちゃんだったが、高齢で死んだ時の悲しさやうつろな気持ちが、この作品の少女に投影されて、深い癒しを感じさせてくれたので、バトラーとして取りあげた。

岡野 :死ぬときは人も動物も力が弱り汚くなる。けれどこのお話では、スイセンのすてきなところを見られて、きれいなネコになっていった。

参加者:この作品の深いテーマを、教えて頂きました。

    今まで、読み過ごしていた作品です。

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空色のゆりいす

岡野 :安房さんは20台で、大学のレポート代りに書いた作品だという。安房作品にはよく死の影暗い影が見えるが、この作品では影が、こっくりとした空の色とか、紅バラ色のとろりとした絵具とか、美しい色にとって代わられている。

山崎 :あたたかい厚いひざかけのような色、シレソの和音のような色、とか。私には孫が3人いますが、青、という名前の子もいます。

   (…ワア、とみんな。)

参加者:うちには空(そら)という名前の子がいます。

   (…ワアア、とみんな。)

 

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ねずみの福引き

山崎 :安房さんのちいさいひとへのお話を取り上げました。ねこじゃらしの原っぱには、ことりやねずみまで来るんですよね、そんな世界のお話です。

尾上 :安房さんのお話って、よくおとうふ屋さんがでてきますね。

南  :おとうふという食べ物については、特に「すごく好き」とは聞いていませんでしたけど。

生沢 :安房さんとは、仲間と鶯谷の「笹の雪」という豆腐料理の店に行ったことがありますけど、そのあと「おとうふ屋さんのお話、書きたい」と言われていたそうです。

蓮見 :あのー、南さん、生沢さん…お二人は「花豆の会」時代の世話人で、現スタッフの窪さんと蓮見も共に、安房さんが日本女子大山室静先生の児童文学特論というゼミの聴講生だった時に、有志で同人雑誌「海賊」を始めたのが、友人になったきっかけです。

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雪窓  

永田 :私は、やはりこの作品がいちばんだな、という気持ちがありました。

    ①お店というなじみの設定、②主人公が独りぼっちということ、③モノ言う動物がいる…この作品のたぬきは、さしづめ助演男優賞といった活躍ぶり(みんな、爆笑)、④失った大切な人と再会するというテーマがあること、⑤死へと向かう恐怖に引きずり込まれそうになる、ユーモアを越えた世界に泣きそうになる…など、安房ワールド集大成の作品だと思ったんです。

拝野 :「雪窓」の、どのシーンが永田さんは一番好きでしたか?

永田 :うーん、…手袋をわすれた娘の後を追いかけていくところ。あのくだりはたまらなかったなあ。

拝野 :私が一番印象に残っているのは、冬の月夜、熱を出した娘をせおって森や峠を駆け抜けて医者へ連れていったら、美代は冷たくなっていて。…

    それで、おやじさんは、今通ってきた道のいったいどこで、美代のたましいは飛んで行ってしまったのだろう、って思うのですよね。あそこ、すごく胸を打たれました!

蓮見 :私は、雪窓、おでんの屋台が、坂道をゴロゴロ転げ落ちていくというシーンが印象深かったです。誰の映画でしたっけ、階段を赤ちゃんの乗った乳母車が転げ落ちていくという場面があったけれど、あの映画とは違った、雪窓がゴロゴロ坂を下っていって、思い切った場面が転換する効果的な物語になっていて、素晴らしいと思いました。

石川 :乳母車が階段を落ちていくというのは、エイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」という映画です。

石川 :あのー、おでん屋さんの話もそうですけど、私は安房作品には、魅力的な食べ物のお話がすごくたくさんあるので、ぜひどなたか、料理のレシピ本を書いて頂きたいです。

窪  :それはぜひ、石川さんご自身がなさってください、応援します。(笑)

永島 :小学校時代に、教科書で「きつねの窓」を読んだのが、はじめての安房作品との出会いです。僕は理系出身ですが、とりつかれて以来40余年、読み続けてきました。今日はとても充実した会に参加できてよかった!

浅沼 :ライラック通りのブログを読んで、初めて参加して、よかったです。

   (…ワア、とみんな。)

秋葉 :私もホームページを見て参加した。私は朗読のサークルに参加している。発表会では安房さんの「日暮れの海の物語」を読みます。

   (…ガンバッテ、とみんな。) 

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                🌷  🌷

 ディスカッションが終わって、皆それぞれで悩みながら、どの作品を読んでみたいか、それぞれが一票を投じた結果、今回のビブリオバトルのチャンプ本は、「雪窓」に決まりました。

 今後の「ライラック通りの会」のビブリオバトルの展開がますます面白くなってきました。

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 最後にビブリオバトルの公式ルールをおさらいしておきましょう。

 

ビブリオバトル公式ルール

  1. 発表参加者が読んで面白いと思った本をもって集まる。
  2. 順番に一人5分間で本を紹介する。
  3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを
    2~3分行う。
  4. すべての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を

    基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めものを

    「チャンプ本」とする。

  しつこいようですが、チャンプ本は「どの本が一番読みたくなったか?」が投票基準であり、あくまでも発表の良し悪しを競うものではありません。

 

 次回は2019年、秋に開催の予定です。
 このブログをご覧の方々も、われこそは!と思われる方、ふるってご参加ください。

   

お知らせ

 この会のあと、石川さんからご自身でまとめられた安房作品に出てくるレシピ本の魅力的な表紙とともに原稿が送られてきました。冊子にまとめたものを実費で分けてくださるそうです。入手なさりたい方は、石川さんに直接お問い合わせください。

メルアド:wildthingsgarden117@gmail.com です。 

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 次回のライラック通りの会は、2019年に春に開催予定です。お楽しみに。

 

ライラック通りの会・秋の会「安房直子作品によるビブリオバトルVol.2」開催のお知らせ

 

 安房直子記念~ライラック通りの会~2018秋の会

            awanaoko.lilac@gmail.com

 

                 安房直子作品による
     ビブリオバトルVol.2

 

                      日時:9月29日(土)午後2時~4時
      場所:西東京市田無公民館3階会議室(西武新宿線田無駅南口徒歩3分)
      参加費:無料 
       観覧ご希望の方は上記アドレスまで、ご連絡ください。
       当日参加もOKです。

 

 

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      バトラーと紹介作品    ①尾上エミ子 「ふしぎな文房具屋」
                   ②岡野尚子  「空色のゆりいす」
                   ③山崎よし子 「ねずみの福引き」
                   ④仁藤眞理子 「秋の風鈴」
                   ⑤永田陽二  「雪窓」

 

     安房ファンタジーの世界をのぞいてみてください。
     あなたも読んでみたくなる作品にきっとであえるはずです。

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  隣接の西東京市中央図書館にはすべての安房直子作品がそろっております。
  この機会に、ぜひおたちよりください。

 

 

 

 

春の会「直子の窓・朗読会」のご報告

2018年4月21日(土)14時~16時半、保谷駅前公民館において、ライラック通り春の会「直子の窓・朗読会」が開催されました。
出席者は15名。 

 

目次

 

1. 作品の紹介と読み手から一言


~ てまり  朗読  川島 昭恵 ~

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 髪は、ふっさりとして、ほほは、うすもも色。まるで人形のようなお姫さまがいました。お姫さまは、二人の友だちと、毎日、ままごとや人形ごっこをしました。けれど、遊び相手がはしかになり、かんしゃくを起こして、泣きじゃくってばかり。すると、ねこやなぎのかげから大きなてまりをころがしながら女の子が出てきました。そのてまりは、色とりどり。ころがすたびに、りんりんといい音がします。
 てまりを通して二人の交流が始まります。たもとにてまりが入ると、お姫様は見たこともない、色とりどりの綾織りのはたおりを、女の子はいちめん黄色い花々が咲きこぼれた菜の花畑を、見ることができるのです。
 二人のそれぞれ見た夢は、お姫様のぽっくりのすずで現実とつながります。
 秘密の遊びはしばらく続きましたが、女の子もはしかになり、ぱったり来なくなり、お姫様は悲しく寂しい思いでいました。
   すると、しゃんしゃんという鈴の音がし、植え込みのむこうから虹のように美しい弧をえがいて女の子のてまりがとんできました。でも、女の子は現れませんでした。

    このてまりは、お姫様のものになりました。てまりをたもとに入れてのぞいてみると、小さな弟をおぶってはたを織っている女の子が見えました。
お姫様は、女の子とまりをついたり、菜の花畑をころげまわることはもうできない、と知ったのです。お姫様は、てまりをさわりながら、夢の中でもう一度、女の子に会いたいと思いました。

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* 読み手から一言・・・・・・キーワードは、~春の窓~。
  窓から誰かがのぞいている。 現実 ⇔ 幻想の世界  
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 熊の火  朗読 秋元 紀子 ~

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 山の中で、仲間から置いてきぼりにされた小森さんは、タバコに火をつけていました。すると、たったった、と力強く近づいてくる音にはっとします。それは熊の大きな影でした。小森さんは死んだふりをします。熊は、麦わら帽子をかぶり、タバコをくわえ、「こんばんは」と笑いながら、となりにすわりました。干し草のにおいがしました。星をながめて鼻うたを歌っています。小森さんは、話しかけてみました。父親のように、話を聞いてもらいたいと思ったのです。でも、弱肉強食の熊の世界と、自分を置いてきぼりにした人間社会とは共通点があると分かりました。
 火口の煙の中の、春の野山の景色。火の中に楽園がある!熊はそこで、年頃になった娘とずっと暮らしているのでした。小森さんは、火口の煙の中に入った熊の後から、自分も入ってしまいました。そこは、森のある素晴らしい楽園でした。タバコの煙に包まれていれば、自由に往来できるというタバコの火を分けてもらい、小森さんは熊になりました。そして人間社会と決別して熊の世界に入り、熊の娘をおよめさんにもらって、やがて子どもも3匹、生まれました。
 熊となって煙の中に住む小森さんですが、しだいに、哀しみを感じるようになりました。心の弱気にすきま風が入るようになり、<外へ出て何かしよう、自分の力で何かしてみたい!>という人間の気持ちがわいてきました。
 小森さんは、熊のタバコを再び吸い、煙の外へ出ました。外は秋。小森さんは、人間に戻りました。そして、仲間に助けられ、元の小森さんに戻りました。でも、気力がなく、人間に戻ったことを後悔しました。
 一年が過ぎたある日、窓をたたく音がして、「戻ってきて!」という声がしました。月あかりの中におよめさんの熊がいました。会いたくて、山を焼きながらやってきたのです。熊のおよめさんは、畑の作物をかごにどっさり詰めてもらって、また、火の道を帰って行きました。
熊が山を焼きながらやってきたという道すじに、まんじゅしゃげの赤い花の列が、まるで鎖のように、うねうねと続いていました。
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*読み手から一言・・・・・夫婦の話、おとなの世界を、こどもはどうとらえるのか?

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2. 懇談会

てまりについて 

 *てまり、素敵な世界。聞きほれる。
 *菜の花の世界に入っていく楽しさ。
 *てまりは生き生きしていた。話がグレードアップされた。


熊の火について

 *炎をバックにして、壮絶な世界。男性からみると、ぞくっとする。タバコ
  を残して去っていく、情念の世界。男だったら一旗あげたい。
 *タバコをすった人しか判らない世界を見事に表現している。
 *悲しい話だが、子どもも読める。
 *熊の作品、深い。生と死を感じる。児童文学とは思えない。
 *独特の世界。寂しいが通じるものを感じる。
 *熊の火=これこそ安房作品の傑作の1つだと思う!曼珠沙華は、想像をかきたてら        れる不思議な花。毒がある。あぜ道に増える、恐ろしさも感じる。                                
 *秋元さんの高い声はきれい。熊を違った意味で裏切ってくれた。

 

両作品について

 *小学館で作品を掲載したことがあるが、2作品とも素晴らしい。てまりは涙がでた。
 *2015年、春の会から参加。安房作品は、きつねの窓からはいった。安房作品を読んでいると、脳が元気になれる。満たされる。

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3. ライラック通りの会・秋の会「安房作品によるビブリオバトル」予告!!

秋の会は、昨年好評だった「ビブリオバトル」を実施いたします。
今年の日程は9月末、会場は保谷駅前公民館の予定です。
現在、出演者(バトラー)募集中です。
興味のある方は、昨年11月にアップした、当ブログをご覧のうえ、メールでお問い合わせください。

ビブリオバトルとは・・・

①発表参加者が面白いと思った本をもって集まる。
②順番に一人5分で本を紹介する。
③それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションをする。
④最後に「どの本が一番読みたいか?」を基準とする投票を参加者全員で行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。

 

今回、テーマは特にありませんが、作品はもちろん、安房直子作品に限ります。

発表者(バトラー)は作品タイトルの事前申請をお願いいたします。
発表者(バトラー)は多くとも8名程度までといたしますので、我こそは!と思われる方はお早目にお申し込みください。
   観戦のみご希望の方も大歓迎です


4. 会計報告

◆「直子の窓・朗読会」 会計報告

収入項目 
参加費 ( 1,500円×9名 )  13,500円
寄付  ( 会員から )   10,000円
              ( 会員から )              115円
 合計  23,615円

  
支出項目 金額(円)
謝礼(5,000円×2名)    10,000円
参加者用のお茶 10本       615円
 合計 10,615円
   残金: 23,615-10,615=13,000円  全体会計へ繰入 


◆2017年度 会計報告

収入項目 
前年度残高           29,853円
寄付(3名)*          50,000円
5月27日全体会 残金        7,987円
7月23日ストーリテラーズ残金           743円
10月15日ビブリオバトル残金   4,099円
送料負担(切手))          492円
   合計 93,174円
  *寄付をいただいた方のお名前と金額は、ブログ郵送版のみに掲載
  させていただき、ネット上では割愛いたしますので、ご了承ください。

支出項目
通信費                13,070円
交通費(スタッフ6名、含打合せ会)  29,609円
会合費補助(7回分、含打合せ会)        26,963円
7月23日の会補助               10,000円
事務費                10,000円
 合計89,642円
   残金: 93,174-89,642=3,532円  全体会計へ繰入

2017年度残金3,532円と、今回春の会・朗読会の残金 13,000円を
合計した金額、16,532円は、ライラック通りの会の会計に繰り入れます。

                                       以上
                                 

ライラック通りの会・春の会 「直子の窓・朗読会」のお知らせ  

ライラック通り春の会「直子の窓・朗読会」開催

参加ご希望の方は、メールにて、早めにお申し込みください。
多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

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★日時:2018年 4月 21日(土) 14時~ 16時半(終了予定) 
★会場:第2集会室(いつもの場所・保谷駅前公民館です)
★会費:1500 円

 

安房作品と出演者

   「てまり」 川島昭恵  
   「熊の火」 秋元紀子
    
★出演者のプロフィール
 川島昭恵:

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 6歳の時、おたふくかぜから髄膜炎を併発し視力を失う。筑波大学付属高盲学校で小中高を学ぶ。早稲田大学第2文学部卒業後、プログラマーを経て、かねてからの思いを叶えて、プロの「語り部」となる。2016年、朗読者集団「空の会」立ち上げ、現在に至る。
 映画「津軽」「ゆずり葉」、舞台「風に吹かれて」に出演。わたぼうし語り部コンクールで入選。共著『面白きこともなき世を面白く』、ルパン文芸会員。
 中学生の時に、文化祭で北川智恵さんの語りを聴いてとりこになり、自らも友人の前などで語りを始める。同時に安房作品「ハンカチの上の畑」に出会って以来、その不思議な魅力に捕まって、今の私がいる。

 

秋元紀子 :

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 日本大学芸術学部演劇学科卒。劇団テアトルエコー、文学座研究生を経て、舞台、映画、テレビドラマ、ラジオドラマ、吹き替え、ナレーターと様々な仕事を経験。その中で、舞台に最も魅力を感じて志すも、育児に追われてできなくなり息苦しさを募らす。
 そんな時に、古屋和子さんの「きつねの窓」のひとり語りに出会い、衝撃を受ける。たった一人で物語の世界を作り出す表現方法と安房作品。その帰り道、安房作品を一生語っていくことを決意する。
 安房さんは、誰もが抱える埋められない大きな穴、孤独感を持ったままでいい、生きていけると教えてくれた。『星のおはじき』で「あなたの心をあずかってあげる」と言う柳の木に、安房作品に、救われた。
 安房直子作品を語り続けて21年目。年に一度の本公演の他、名古屋、千葉、山梨、宇都宮で朗読会を開催。また、演劇の講師として大学や専門学校の授業では、必ず安房作品を取り上げて、2000人以上の学生に紹介してきた。

 

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安房直子作品によるビブリオバトル VOL.1  ご報告

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             🌷  🌷


「とてもいい企画だと思う」との、おほめの言葉をいただきました。
ほどよい緊張感の中で、5編の安房作品が力づよく語られました。安房作品に改めて命がふきこまれたようでした。
 参加者は総勢11名、和やかな雰囲気での新鮮なバトルでした。 

 
                                           🌷  🌷  

 

ビブリオバトルは、「本を通して人を知る 人を通して本を知る」を旨としています。バトラーは、1人5分ずつ、お気に入り作品の魅力を語り、そのあと2~3分間のディスカッション時間を設けました。司会進行は安齋明子さん。

 


5人のバトラーの発表(本人による要約)

 

1.「ひめねずみとガラスのストーブ」   安齋明子

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 この美しいお話には3つのポイントがあります。
 ひとつめは、「かけがえのない子供時代。」
 ふたつめは、「人を愛することの美しさ、とその延長線上にある“結婚”の意味」を小さな読者、つまり子供たちに、平易な表現でわかりやすく教えている点です。              
 とりわけ、風の子のフーとひめねずみがガラスのストーブがきっかけで、意気投合し、自然に二人の生活が始まる、というその内容は児童文学でありながら、大人でなければわからない深い話ともとらえることができ、自分はガース・ウイリアムスの「しろいうさぎとくろいうさぎ」を思い出さずにはいられません。
 みっつめは、挿絵の美しさです。
物語のモチーフである「オレンジいろに輝くガラス製のすてきなストーブ」は、“小さなシャンデリア”という素晴らしい表現がされており、「こわれやすいもの、デリケートなもの」という、物語の趣旨とリンクし、読み手にとってこの物語を、さらに印象深いものとする重要な役割を存分に果たしています。
 最後に、この美しくも、切ない物語を、2011年初版発行の、新しい、現代の絵本で、ぜひお読みください。
 それはそれは、かけがえのない時間(タカラモノ)となることでしょう。

 


2. 「春の窓」   馬 僑霞(マ キョウカ)

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 今回紹介させていただいたのは「春の窓」という個人的に大好きな物語です。いつもながら、悲しみを温かさにかえる安房作品のマジック、この作品では、春の暖かさと明るさを感じて頂きたいと思います。
ある寒い冬の日、売れない絵描きさんの部屋をたずねてきたふしぎな猫の魔法で、壁に描いた「窓」のなかでは、暖かい春の風景が毎日現れます。
そこに絵描きさんは思いがけないものを見つけました…。
 この作品を初めて読んだのが、十何年前、中国で過ごした中学校の時代です。そして1年前に、すでに日本でに住んでいるわが家で「春の窓」にそっくりな不思議な話と出会いました。
 安房作品にあふれている日常生活と空想の世界に繋げるその幻想の力には、確かに時間と空間の制限を破るパワーがあると実感しました。これからもずっと、魔法がいつもこの世界のどこかに存在していることを信じたいと思います。
 ご覧になる皆様、この秋霖が降り始め、めっきり寒くなるこの時期に、どなたでも読みやすい「春の窓」の話をぜひ一度読んでいただきたいと思います。

 

 

3. 「小さいやさしい右手」   川島昭恵

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 魔物、魔法、意地悪な継母と姉娘、そして可哀想な妹娘、森の中で展開されるこのお話は、まるでヨーロッパの昔話の香りがし、同時に、弱者に対する温かな眼差しを感じます。 
 主人公である魔物がとても人間的で、心惹かれる。好意を持つ女の子を喜こばそうとし、また裏切られ、驚き、悲しみ、そして復讐を誓うのです。
 そして、ついに目指す相手と再会し、同時に彼女が自分を傷つけたのではなかったことを知り、また驚きうろたえるのです。これは正に人間の心を描いているように思えます。 

 この魔物と妹娘の再会の場面での短い台詞のやり取りは本当に素晴らしい。二人の真剣さに息を飲むような気がするのです。 場面が変わるところでは、歌が出て来ます。これがまたいい。特に声で表現する時、よく安房さんがぴったりなところに歌を入れてくれたと思います。私はこのお話を語らせてもらう時に自分なりに節を付けています。 

 この物語のテーマは、愛と許し、死と復活だと思います。この作品を書いてくだった安房直子さんに心から感謝しています。

 


4. 「だれも知らない時間」  

         孔 陽新照(コウ ヨウシンチョウ)

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 今日は、今まで読んだ安房作品の中で、深く心を動かされた『誰も知らない時間』を皆さんに紹介したいと思います。
 あらすじは、次のようです。岩かげに、200年も生きている大きなカメがいました。それでもそのカメは、まだあと100年ほど命が残っていました。ある時、漁師の良太は、一日に一時間ずつ、カメに時間を分けてもらうことになりました。そして毎日その時間を使って、村のお祭りのために太鼓を練習しました。一人の少女と出会って、だんだん物語は不思議な展開になって行きます…。
 心を惹かれるのは、「時間の不思議さ」です。人生はいろんな段階で、時間の流れの速さは違うように感じます。大人になったら、子どもの頃の時間の流れよりずいぶん早く時間がたつと感じることや、老人になったら、カメのように自分の時間は遅くて、退屈だと感じることが人生の不思議だと思います。
 また、物語に挿入された少女と母の話も安房直子さんが養女でいらしたことを連想させます。 
 病気で入院した母親に会うために、少女はカメの時間を借りて、毎晩一生懸命走って行きます。けれど、ある晩、病院に行くと母親の姿が消えてしまっていました。少女が母親を探している間に、借りた時間が過ぎて、カメの夢の中に閉じこめられてしまったのです。
この箇所を読んで、安房さんの母性への憧れと葛藤をひそかに感じました。 
 最後のシーンも深く印象に残っています。「生と死」の場面は極端で、強烈な対比によって描写されています。
 まさにインドの詩人の名句「生は夏の花のように、死は秋の葉のように」のように、取り返しのつかない人生の時間を感じて、どこから来たのか分からない悲しみがずっと心に響いています。 
 このすばらしい作品を、ぜひ一度読んで、じっくり味わってみてはいかがですか?

 


5. 「初雪のふる日」   蓮見けいf:id:lilac-dori:20171128092829j:plain

 「初雪のふる日」は、どこを切り取っても美しい詩、幻想世界の傑作です。ひとりの名前のない女の子の、異界とのふれあいと勇気の物語…それはわたしたちに、宝石のようなイメージの贈り物をくれる、ちょっと怖くて温かいお話です。
 ♫うさぎの白は、雪の白 片足、両足、とんとんとん・・・・ほろほろとふり続ける初雪は、冬の到来の不安な気持ちを伝えます。それは、雪うさぎに象徴される厳しい寒さの季節、死の世界へと連れ去ろうとする冬の舞台・・・ 
 ♫ 止まっちゃいけない、あとがつかえる。片足、両足、とんとんとん・・・うさぎたちの行列に巻き込まれて、女の子のほおは青ざめ、くちびるはふるえます。
死と生の転換は、少女が勇気を出して、「春のヨモギ!」と魔法の言葉を夢中で叫ぶことで起こります。にわかに花のにおいや小鳥の声が満ち、ヨモギの野原での再生の春の物語がはじまるのでした。もう、うさぎたちはどこにもいませんでした。

 

             🌷  🌷
 全員の発表が終わったあと、休憩時間を挟んで、全体での質疑応答、最終的なディスカッションの時間を設けました。
 いよいよ投票。参加者11名が投票しますが、プレゼンテーションの優劣ではなく、「最も読んでみたい作品、再読してみたい作品」を選びます。また、自分の発表には自分では入れないというのが原則です。どの作品もすばらしく皆さん、悩まれました。
 結果は、「ひめねずみとガラスのストーブ」「小さいやさしい右手」「誰も知らない時間」がそれぞれ3票ずつでした。票が割れましたが、どの作品も甲乙つけがたいということで、あえて1位のチャンプ本は選びませんでした。

 

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 会計報告   

収入 :参加費(1000円×5名) =5000 円
   会員からのご寄付 =10000 円
   合計 15000円 
支出 :参加者用のお茶 11本 =901 円
残金:14099 円
繰り越し金= 14099 円
*

*この繰り越し金は、ライラック通りの会の会計に繰り入れます。
*ご寄付,カンパを頂いた方のお名前は、ブログ郵送版のみに記載させていただきます。

 

 

 

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    バトルを終えて・・・・。

 


お知らせ
 今後、ライラック通りの会の企画が大きく変わります。
 行事は、春と秋の年2回。春の会は「直子の窓・〇〇の会」と称して朗読会や講演会などを開催します。秋の会は「安房直子作品ビブリオバトル」と題して、安房作品を鑑賞しあう会を開催することにいたしました。
 来年度の春の会は、「直子の窓・朗読会」として、2018年4月~5月に開催予定です。詳細が決まりましたら、お知らせします。
 また、来年度の春の会から、次の6名がスタッフとして会の運営を担うことになりました。

 蓮見けい、窪 龍子、佐伯好江、安齋明子、永田陽二、仁藤眞理子です。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

語り芝居を楽しむ会 ご報告 『うさぎの森のおいしい話』

 2017年7月22日《安房作品を子どもに語る会・・西東京市図書館との共催》
          保谷駅前公民館  参加親子 22名
 2017年7月23日《ライラック通りの会主催》
          田無公民館    参加者  11名 


 出演:ストリーテラーズ 安倍久美子 原田達也 原佳代子 永田陽二
 構成・演出:永田陽二

 

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公演レポート  永田陽二
 7 月22日と23日の二日間、西東京市の公民館でストーリーテラーズの「うさぎの森のおいしい話」を上演しました。
 22日はライラック通りの会と西東京市図書館の共催。主に図書館を利用している親子を対象に、安房直子さんの短編童話4本を4名の俳優による朗読劇(語り芝居)で楽しんでいただきました。
 第2話「うさぎの結婚式」の劇中で、うさぎさんからの手紙をお客さんに読んでもらったり、Vサイン(森のうさぎ役)で参加していただいたりと、保谷の皆さまご協力ありがとうございました。
 3話目の「うさぎ屋のひみつ」のヒロイン「なまけものの奥さん」の「ああ、こんやのおかずはなににしよう」という台詞に会場のお母さんたちがニヤリとしたのがとても印象的でした。
 終演後、図書館の担当者の方たちとの懇談会で「結局うさぎ屋は悪くない」とか「主人公が犯罪者なのに幸せになる結末はグリム童話の影響」等の意見が交わされました。
  23日はライラック通りの会主催で田無の公民館での上演。こちらは大人のみのお客さんでした。
 隣接する地域行政資料室は出版された安房作品のほぼすべてが読める貴重な施設です。雑誌などに掲載されただけの未発表作品も閲覧できるので開演前にメンバーで挨拶。今回上演の単行本未収録作品「うさぎの結婚式」もファイルにきちんと整理されてあり、以前峰岸先生からコピーをいただいたものとは別の挿絵のバージョンを発見して驚きました。まさに聖地と呼べるこの空間で、 安房作品の公演が出来ました事を光栄に感じています。

 


大川茜さん(小5)の感想
 うさぎの森のおいしい話は今まで見たことがないような、動きや、小道具を使ってキャベツ畑やおなべの火、うさぎの耳などを表していて、とてもすごいと思いました。
 私が一番好きだったお話は、「うさぎ屋のひみつ」です。おとなしそうなおばさんがうさぎのひみつのスパイスをぬすみに行くなんて、おどろきました。スパイスがなくなったらどうするんだろう?
 おいしいお料理がたくさん出てきておなかがすいてしまいました。家に帰っておかあさんに、ロールキャベツを作ってもらいました。


参加者の感想(西東京市図書館まとめ)
1. 絵本からうさぎが飛び出てきたようで楽しい時間を過ごせました。
  またぜひ見に行きたいです。
2. うさぎ屋のひみつは、本で読んだことがあり、とても楽しかったです。
3. とてもお話に引き込まれる感じで親子ともに楽しい時間を過ごせました。  
  ありがとうございました。
  やってくれてありがとう。
4. 朗読劇というものがどういうものなのか?子どもでもおもしろがって見て 
  くれるのかしら?という不安があったのですが、ふつうの読み聞かせとち
  がって動きがあり、音があり、お話が想像しやすく本当におかげさまで素
  敵な時間になりました。ありがとうございました。
5. 声もきれいで聞きやすく、すいこまれる感じがしました。
  うさぎ屋のひみつが怖かったみたいです(少し暗くなったので)。
  雪の日のだんまりうさぎが一番おもしろかったそうです(シチューがおい
  しそうだから)。
6. 1わの2匹ひきはなかよさそうでにしてた。2わのうさぎはしあわせそ
  う。3わのたくはいは、うち切りにすれば「やめて」といいもらえるとい
  うと思ってた。4わの雪の話は、そこの世かいへ行きたい。楽しかった
  (原文のまま)。
7. 初めてでしたが、とてもおもしろく楽しくひきこまれました。
8. 楽しく夢の様な時間をすごす事ができました。「友達に電話してみようか
  な?」「おもちも食べたいし、ロールキャベツもネ!」作品の持ち味が、
  とても良く出ていたと思います。又、見に来ます。
9. 楽しかった(子供)。
10. 楽しい時間をありがとうございました。4人の息がぴったりで、風景が
  浮かんできました。すっかりおなかがすいてしまいました。
  また聞きたいです。
11. こういう形式は初めてみたので新鮮でした。

 

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会計報告
1.  22日《安房作品を子どもに語る会・・西東京市図書館との共催》の会は入場無料で

  行われました。
2.  23日《ライラック通りの会主催》の会は、収入:2000円×参加者8名=16,000円で 

  したが、全額ストーリーテラー4名の方々の全額出演料としてお支払いいたしま

  した。
  その他の収支については、収入が匿名者からの寄付10,000円、

  支出は、両日の弁当代(延べ16名分)7,935円、機材運搬のための駐車料金駐車料

  金1,200円、合計9,135円でした。

  残金865円はライラック通りの会のライラック会計に繰り入れました。


次回のライラック通りの会

  10月15日午後2時~4時半の予定で、保谷駅前公民館で開催します。

  新しい企画を計画中です。詳細は、近日中にお知らせしますので、

  楽しみにお待ちください。

 

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語り芝居を楽しむ会「うさぎの森のおいしい話」

ライラック通りの会 語り芝居を楽しむ会のお知らせ

 会員の倍久美子さんと永田陽二さん達の「ストーリーテラーズ」の皆さんによる

子どもも大人も楽しい語り芝居です。ぜひご参加ください。

 

「うさぎの森のおいしい話」

『だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ』

『うさぎの結婚式』

『うさぎ屋のひみつ』

『雪の日のだんまりうさぎ』

 

日時:7月23日 14時開演

会場:西東京市田無公民館 第2学習室

    隣接する西東京市中央図書館の開架式の書架には、安房直子さんの単行本が

    たくさん揃えられています。また2階の郷土資料室には、西東京市出身の作家

    安房さんの現在は販売されていない単行本ををはじめ、ほとんどの著書が保存

    されています。さらに単行本未収録作品(花豆の会寄贈)のファイルもあり、 

    閲覧することができます。ぜひお立ち寄りください。

参加費:2000円

 

 

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前日の22日には、同じ内容の公演が、子どもたちのために、西東京市図書館とライラック通りの会との共催で、

保谷駅前公民館で開催されます。

さらに、27日~30日には、新宿の竹林閣でも開催されます。詳細は、メールにてお問い合わせください。