3月23日に開催しました朗読会「春の日に安房直子の秘蔵の童話を聴く会」にご参加頂きまして、ありがとうございました。下記のとおり会計報告をいたします。
2023年度全体運営会計報告
下記のとおり2023年度全体運営 会計報告をいたします。
全体運営および朗読会で生じた赤字分について、「ライラック通りの会・こみち運営基金」より補填いたしました。また、2名の方からご寄付を頂きました。お名前は次号郵送版ブログでご報告します。大変ありがとうございました。
会計担当 世話人 松多有子
安房直子さんの作品世界は、時代を越えて多くの人の心によりそい続けてくれます。
その豊かさをまだ知らない子供たちや、若者、大人たちに、
安房直子さんの作品が広く読み継がれていってほしいと、私たちは願っています。
そのためのいろいろな活動をみなさんと一緒にやっていきたいと、この会を立ち上げました。
世話人 石川珠美 松多有子
スタッフ 永田陽二 野田香苗 イラスト 仁藤眞理子
事務局 安房直子記念~ライラック通りの会
awanaoko.lilac@gmail.com
あいにくの凍えるような天候のなか、3月23日(土)、とうとう、待ちに待ったリアル会場での、本番の日を迎えることができました。
会場は、安房直子さんが学ばれた日本女子大学の桜楓会館1号館、講義室です。
演出構成は、俳優の永田陽二さん。
まずトップバッターは、森田麻知代さん、「だんまりうさぎの初夢」。うさぎを模した可愛らしい髪型と衣装。だんまりうさぎとおしゃべりうさぎとの愛らしいやりとり。夢はいつやって来て、いつ帰って行くのでしょう…。
続いて、秋元紀子さん。疲れたお母さんの束の間の休息と、その再生を描いた「チェーンステッチ」を、しっとり演じてくださいました。作中のつるばらを思わせる赤いネックレスも素敵です。
前半の部の最後の演者は、野田香苗さん。野田さんは会場に飾るお花も活けてくださいました。作品に合わせてレインコートのような青い衣装、晴れたあとの虹のようなストール。軽快でコミカルなきつねたちのお話「小さな緑のかさ」を演じられました。
休憩をはさんで、後半の部へ。
後半の部、ひとりめは、永田陽二さん。安房直子作品としては異色中の異色作「キラキラスナックの秘密」を怪演。一昨年の「谷間の宿」につづき、ウルトラQのような不思議な世界を、見どころ満載に繰り広げました。
そして、今回の朗読会の最後を飾る「空とぶスカート」、中村悦子さん。おばあさんと縫い針のおぬいさん、すずめのやりとりを、おおらかに、ユーモアたっぷりに演じてくださいました。作中にでてくる虹のような美しいストールも素敵でした。
本日のお客様は30名。多すぎず、少なすぎず、のアットホームな会場となりました。
今回は、待ちに待った5年ぶりのリアルな会場での開催となりました。
素敵な朗読を聴かせてくださった5名の演者のみなさま、本当にお疲れさまでした。
そして、先日、飛び込んできたすばらしいニュース、あすなろ書房さんより、『安房直子絵ぶんこ』全9冊シリーズが、4月15日より順次刊行スタートとのこと!!
第一弾「ふろふき大根のゆうべ」
第二弾「猫の結婚式」。
以降のラインナップも気になります。
来年はぜひ、この、あすなろ書房さん『安房直子絵ぶんこ』シリーズを軸に、朗読会を開催したいですね、と、皆で盛り上がりました。
来年の朗読会も、どうぞ、おたのしみに!!
なお、先の投稿(2月10日付)に掲載しました朗読会フライヤー上の会場住所は、日本女子大学の所在地でした。
桜楓会館 (おうふうかいかん) 1号館の住所は、〒112-0015 東京都文京区目白台1-16-7 桜楓1号館 ですので、お出で頂く際ご注意ください。
まだまだ、お申込み受付中です。お申込み方法につきましては、以下のURLからご確認ください。 https://lilac-dori.hatenablog.com/entry/2024/02/10/080950
1.だんまりうさぎの初夢
〈1984年1月『小二教育技術』36(13)小学館〉
生で演じられるのを待ち望んでいたけれど、
2.チェーンステッチ
〈1981年8月『詩とメルヘン』9(9)サンリオ〉
私も子供の頃、チェーンステッチを母から習いました。面白くて、
3.小さな緑のかさ
〈1985年5月『目白兒童文学』22 日本女子大学児童学科〉
なかなか会えない天気雨。会えば異次元へ迷い込んだよう。
この話を読むと狐に化かされてもいいから、つかの間の雨降りに何か美しいものに出会ってみたい気にさせられます。 ≪野田香苗≫
4.キラキラスナックの秘密
〈1985年1月『ショートショートランド』5(1)講談社〉
とても安房直子さんが書いたとは信じ難い毒に満ちた異色の作品で
5.空とぶスカート
〈1991年6月『日本児童文学』37(6)文溪堂〉
安房さんの作品の中では人も動物もごくごく自然に会話している。この作品に登場するのは、おばあさん(人)、すずめ(動物)、そして針(!?)のおぬいさん。不思議でそしてとても素敵な安房ワールドをすぐそばで感じていただけたら幸いです。 ≪中村悦子≫
出演者・スタッフ一同、皆さまとご一緒に安房直子さんの物語を楽しめる日を心待ちにしています。 多くの皆さまのお申込みをお待ちしております。
3月23日(土)13時30分より、日本女子大学 桜楓会館1号館にて、ライラック通りの会の朗読会を開催いたします。
毎年恒例となりました朗読会、今回は2019年以来、実に5年ぶりの会場開催です!
出演者・スタッフ一同、お客様と同じ空間で、ご一緒に安房直子さんの物語世界を楽しめます日を心待ちにしております。
朗読会の詳細、お申込み方法につきましては、下記をご覧ください。席数に限りがございますので、ご希望の方はお早めにお申込みください。
日 時:3月23日(土)13時30分開演(13時開場)~16時頃まで
会 場:日本女子大学 桜楓会館(おうふうかいかん)1号館1階講義室
〒112-0015 東京都文京区目白台1-16-7 桜楓1号館
定 員:40席(先着順)
参加費:2,800円
構成・演出 永田 陽二
イラスト 仁藤眞理子
司会進行 石川 珠美
【参加費】2,800円
【振込先】ゆうちょ銀行
・店名:〇〇八(ゼロゼロハチ)
・店番:008
・預金種目:普通預金
・記号:10030
・口座番号:3317591(7ケタ→ゆうちょ銀行以外からのお振込の場合)
・番号:33175911(8ケタ→ゆうちょ銀行からのお振込の場合)
・名前:ライラックドオリノカイ
※ 出演者からご紹介された方は、どなたの紹介なのか出演者のお名前をお知らせください。
※ 事前のお振込みが難しい場合は、事務局までご連絡ください。
ご不明な点等ございましたら、ライラック通りの会事務局までメールでお問い合わせください。たくさんの皆さまのご参加をお待ちしております。
1月20日(土)、ZOOMにて、ライラック1月文庫の会を開催しました。
参加者は14名(内スタッフ3名)、北海道、新潟、香川、福岡から、など、広い地域からのご参加、嬉しく思いました。はじめは視聴のみと伺っていたかたも、フリートークにご参加くださるなど、気の置けない寛いだ会となりました。
はじめに、お名前と、「はじめて出会った安房作品のタイトル」を挙げていただき、その後、ふたつのグループに分かれて、安房作品ランキングをめぐってのフリートークにご参加いただきました。
グループ分けは、今回の参加者が投票したランキングの結果に基づいて、分けさせていただきました。
グループ1は、「きつねの窓」「三日月村の黒猫」「海の雪」グループ。
フリートークは、「きつねの窓」のゆびを青く染める描写は、藍染から材をとっているのではないか、また、安房作品には職人がたくさん登場する、というご指摘、
そして、「きつねの窓」しずかに反戦の意味を含めた作品ではないか、というご指摘、
家族を亡くした時に心に寄り添ってくれる作品だったというご感想、自分が実際に母を亡くしたら朗読できない、というお言葉、「薄れてゆく記憶」を扱った物語であるという解釈、
ポーランドご出身の参加者は、「きつねの窓」をご自身でポーランド語に翻訳されているというお話も出ました。
また、今、大学生の参加者は、卒業論文で安房直子さんをとりあげたい、
安房さんの色彩のゆたかさについて、「空色のゆりいす」についてのお話も出ました。
「未収録作品集」についても、「とげ」「ねがい」などが印象深かった、また、エッセイで織物に興味があるというくだりがあり、自分も織物の勉強をしたことがあるので、嬉しくなったというお話、あとがきがまとまっているのがよかったというご感想も。
グループ2は、「鳥」「さんしょっ子」「だれも知らない時間」「ハンカチの上の花畑」「天の鹿」グループ。
安房作品は、日常の隣にぽっかりと異世界が口を開いているという魅力がある、
色彩が心に残るすばらしさ、そして「夢の果て」の幕切れの印象深さ、
「鳥」は、安房作品には珍しいどんでんがえしがあり、印象的であるが、安房さんらしさとは違うのではないかという指摘、
「夏の夢」夢の世界を一緒に旅をしていく、安房作品の良さは、現実世界を生きるためのメッセージが無いところ、純粋に美しい夢の世界をかんじさせるところである、というご指摘、
「さんしょっ子」の切なさ、民話的な雰囲気、お手玉にはあずきが入っている、すりこぎをつかってあんこを作るというような箇所、に、現実を織り交ぜているところも魅力がある、というお話、
異世界がある、その怖さと、別の世界があるということの救いを感じた子供時代、怖さとあこがれがないまぜになった感じ、「ハンカチの上の花畑」「天の鹿」の怖さとわくわくする感じ。
香川県からの参加者は、香川で安房直子さんを読む会をされていて、先日は「ひめねずみとガラスのストーブ」の読み聞かせをされたというお話も。
「未収録作品集」では、「霧立峠の千枝」「鏡の中」「水あかり」がすばらしかった、という話題が出ました。
安房直子さんご本人からサインをいただいた、というご経験のある参加者のお話も、興味深く伺うことができました。
この会はレコーディングしてありますので、会員のかたで、ご希望がありましたら、リンクをお送りできますので、お申し出ください。
今後の課題として、若い世代は、メール使用の会員制というかたちに馴染まないのではないか、例えばGoogleフォームを使ってのアンケートを実施したら、もっとはば広く投票があったのではないか、というご提案をいただきました。
また、今後のテーマとして、
☆安房作品における「市」
☆安房作品における「おいしいもの」
☆指窓で自分が見たいものアンケート
☆好きな安房作品につける「帯」の作成・発表の会(会員の伊藤彩香さんにお送りいただいた卒業論文から)
等があがりました。
今後の会の参考にさせていただけたらと思っております。
◎文庫の会会計報告
◎参加者ご感想
「途中参加ながら、お話に交わらせて頂きありがとうございます。お話の片鱗を伺いながら深い洞察にうなづきながら聞きました! 」Planethand
「視聴参加でしたがとても楽しませていただきました 参加者の皆さまのおすすめの作品を改めて読んでみたくなりました 今後のイベントも楽しみです」 アイダミホコ
「『死』のキーワードは 念頭にありましたが
戦争や忘れてしまうことも これからの安房直子作品を深く理解する
キーワードとして新たな視点をいただきました」 K.A
「皆さんの安房さんに対する愛が伝わってきてとても癒される時間でした。
『鳥』は私は読んだことがなかったので今度ぜひ読んでみたいと思います。」 小枝なみ
「一つの作品について語るだけでも、